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裏日本 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2009/10/04

 私は生粋の「裏日本人」である。本籍(父の実家)は秋田県(日本海沿岸の岩城町というところ。あれ、秋田は東北だな。)、新潟で生まれ、人生の大半は新潟で過ごしている。「表日本」には、小学時代に四年ほど暮らしたのみである。夏は蒸し暑く、冬は雪に囲まれる。その間にすごしやすい春と秋が、申...

 私は生粋の「裏日本人」である。本籍(父の実家)は秋田県(日本海沿岸の岩城町というところ。あれ、秋田は東北だな。)、新潟で生まれ、人生の大半は新潟で過ごしている。「表日本」には、小学時代に四年ほど暮らしたのみである。夏は蒸し暑く、冬は雪に囲まれる。その間にすごしやすい春と秋が、申し訳程度にあるというのが、私の四季イメージである。  「裏日本」というのは、そういうところだ。しかし、「裏日本」が裏になったのは、ここ百年のことでしかない。そうすることによって、東京中心の日本の近代化が進んでいったと、本書は教えてくれる。そんな歪みの中から、「まぁ、その〜」と先述した理研の大河内正敏を頼って「越山」してきたのが田中角栄であった。田中角栄を単純にカネに汚い政治家としか見れないようでは、近代日本の病理に迫ることは出来ないだろう。  「表日本」/「裏日本」の問題は、国際的に存在する南北問題と根は同じことで、資本主義は格差の上に成り立っているということなのだろうか。今の私にそれを判断するほどの知識はない。まだまだ学びが足りないことを痛感する。  著者の古厩氏、いや古厩先生は、新潟大学人文学部教授であったが、既に鬼籍に入られた。先生は私が大学に入ったときの学部長である。学生・院生と六年間も在籍したのに、ゼミを受講することもなく、授業をまともに受けたこともない。というのも、先生は中国近現代史担当であったので、中国語を習ったことのない私が先生のゼミに出るというのは、そもそも無理だったからである(思いっきり言い訳である)。むしろ、大学を出てから、いろいろとお世話になった。そういうことで、恩義のある先生であった。  しかも、私は先生から与えられた一つの宿題をまだ果たせずにいる(それはいずれこの場で果たすつもりである)。  その先生がゼミ生・卒業生たちに発信しつづけた「通信」が、『Fゼミ通信―古厩忠夫の思索と行動の記録』(同時代社)としてまとめられている。癌に苛まれながらも、思索の歩みを止めることのなかった先生の「生の記録」である。私が駄文を弄するまでもなく、読み応えのある一冊としてぜひお薦めしたい。

Posted byブクログ

2009/10/04

・?部は読むのが辛かったーー。きちんとした調査に基づいた記述であり、文句言っちゃ悪いんだけど、それでも慣れない言葉や地名の連続には疲れました。。まあ、それも日本海側には馴染みがないということの表れなのよね。   ・帝国主義時代の歴史が今までとは違う視点から見られて興味深かった。上...

・?部は読むのが辛かったーー。きちんとした調査に基づいた記述であり、文句言っちゃ悪いんだけど、それでも慣れない言葉や地名の連続には疲れました。。まあ、それも日本海側には馴染みがないということの表れなのよね。   ・帝国主義時代の歴史が今までとは違う視点から見られて興味深かった。上からの統制がもちろんあったわけだけれども、表に搾取される裏がそれと同じ論理でアジアに向かっていった面がある、と。。

Posted byブクログ