旧約聖書 ヨシュア記 士師記(Ⅳ) の商品レビュー
旧約はモーセ五書で勘弁してもらおうと思ったのだが、新約を読んでみたらだいぶ間が抜けているみたいなのでしぶしぶもうちょっと読む。 「ヨシュア記」を“聖”書と呼ぶのは違和感がある。どう読んでも、侵略と虐殺の記録でしかないからだ。数千年前の砂漠の国の物語を今の理屈で読むのは不公平だとは...
旧約はモーセ五書で勘弁してもらおうと思ったのだが、新約を読んでみたらだいぶ間が抜けているみたいなのでしぶしぶもうちょっと読む。 「ヨシュア記」を“聖”書と呼ぶのは違和感がある。どう読んでも、侵略と虐殺の記録でしかないからだ。数千年前の砂漠の国の物語を今の理屈で読むのは不公平だとは思うが、現代がここから学ぶべきことがあるとすれば、いつヨシュアみたいのが攻めてくるかわからないから備えなければ、ということでしかない。 訳者もさすがにこれはひどいと思ったらしく、たびたび現れる「聖絶」という言葉は、殺し尽くすことではない、といった主張(弁護?)をしているけど、学問的にはともかく素人には説得力は皆無だ。ヨシュア記の中では、聖絶する、生かしておく、と対比されて使われているからだ。 イスラエルの侵略が一段落ついてカナンの地に腰を落ち着けると物語は若干血生臭さが薄れてきて、ギデオンが出てきたり、サムソンとデリラが出てきたりする。この辺りになると十八史略みたいな史書っぽい感じが出てくる。 それにしてもユダヤの人はこのあたりの本をどう読んでいるのだろう? 日本人が戦前戦中にアジアで悪事を働いた話を読まされるようなもので、複雑な心境なんじゃないだろうか?
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-内容- 旧約聖書が語る人間の悲しみと喜び、醜さと美しさ、恐ろしさと優しさ、傲慢と敬虔。英雄たちの闘いと生。世界に秩序を与えた神の出来事を語る、約束の地の年代記。
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