泡坂妻夫の怖い話 の商品レビュー

泡坂妻夫(著者)

短編でも定評のある著…

[文庫ＯＦＦ]

短編でも定評のある著者が、ショートショートでもその実力を披露した作品集。キレのある味わいを楽しめる。

泡坂妻夫氏の恐怖ショ…

[文庫ＯＦＦ]

泡坂妻夫氏の恐怖ショートショート集。31編収録。

怖い話ばかりを集めた…

[文庫ＯＦＦ]

怖い話ばかりを集めたショートショート集。この怖さはある意味危ないです。

2019/09/04

「怖い話」と銘打ってはいるが、ホラーではなく、恋愛物あり、幻想文学あり、伝奇物あり、小咄ありとヴァリエーション豊かなショート・ショート集。
その縦横無尽ぶりと相反する飄々とした文体は私をしてこれは泡坂版「徒然草」だと思わしめた。特に日常的な話を描いて普通小説だと思わせておいて、いきなり非現実な表現（「壁をすり抜けるところを見られた」等）とさりげなく滑り込ませる手際は美事。
ただ飄々としすぎて味気なかったのは確かだなあ。

2019/01/04

ミステリー作家によるショートショート。前半の作品は手品やマグネティックヒル（下り坂なのに上り坂に見える道）などを使ったリアリティ路線で好きだ。

2022/11/11

　泡坂妻夫先生のデビュー時からのショートショートがまとめられた短編集。ミステリ風の作品だけでなく，SF風の作品，奇術をテーマとした作品，ユーモアあふれる作品，怪奇小説風の作品から，歴史小説風の作品まで，バリエーションはさまざま。「泡坂妻夫の怖い話」というタイトルだが，怖い話はそれほど多くない。
　３１作品もの泡坂妻夫先生の作品が読めるだけで幸せ。客観的な目でみると，作品のデキは玉石混交だが，主観的にはかなり好きな作品。
　３１作品の中で一番心に残った作品は「わんわん鳥」。ほかにも，「毒」，「ハートのQ」，「ミュージシャン」，「固い種子」，「大欲は無欲」などは，出来がよい作品と言える。とはいえ，オチが冴えていないもの，何が言いたいのかよく分からない作品もある。ショートショートは難しい。ショートショートだけで一冊の文庫本を作るのは大変なのかもしれない。つくづく，星新一を尊敬してしまう。この作品は，トータルでは★３かな。

2013/01/25

ショートショート集、簡単に読めるのに、味わいは深い。
淡坂妻夫氏の作風そのまま、マジックの目くらましとホラーっぽいオチが絶妙に絡んでる。

2012/06/15

怖い話というより不気味な話が多い。

全31篇のショートショートが収められていますが、舞台設定はさまざま。
ミステリー・恋愛・時代もの・SFなど、作品によって読んだ時の印象は全く違います。でも、最初の数行を読んだだけですぐその世界に引き込まれてしまうはず。そこの技量はさすがです。

マジック好きなら「ハートのQ」「御徒町」「面」を読むべし。個人的に好きなのは「ミュージシャン」かな。

2009/10/04

三十一編のショート・ショート集。収録された作品は探偵もの、怪奇小説風、泉鏡花風の夢幻的なものとヴァラエティに富む。眠れなくなったときに手にとって数編を読めるように、寝床の脇にいつも置いておきたい秀作。僕は鏡花的な「わんわん烏」という恋愛小説がもっとも気に入った。