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朱鎔基の中国改革 の商品レビュー

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2016/12/30
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1998年刊行。著者は東洋学園人文学部教授。  21世紀中国の方向性を定めたのが鄧小平であるが、その実務担当者は89年の第二次天安門事件の後遺症冷めやらぬ91年に副首相に就任した朱鎔基であった。  本書は古い本であるが、現代に続く中国の経済上の問題点を読み解いていく。例えば、金融機関の多大な不良債権、沿岸・内陸格差、国営企業問題とこれから生み出される(潜在的)失業率の高さ、中央と地方の権限分配と潜在的対立構図等であり、朱鎔基の経済政策を分析基軸に据える。  そういう意味で、本書読破の意義とは、鄧小平時代以降現在まで、中国の国内問題が連綿と継続している状態にあるのを感得することだろう。  当然、朱鎔基の政策が須らく成功していたわけではないのは、今も同様の問題に中華人民共和国が直面していることから伺い得る。逆に言えば、高い実務能力を備えた朱鎔基をして解決を成し得なかった問題の根深さも感得できそうだ。  ところで、人民解放軍の問題は、本書が経済政策論を展開する書なので、やや弱いかなという印象。

Posted byブクログ