1,800円以上の注文で送料無料

寡黙な死骸 みだらな弔い の商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/12/11

いやぁ〜面白かった! 死を扱いながらも、 これほど甘美で官能的な作品集は そうそう お目にかかれないんじゃないかな。 物語に施された仕掛けが解る頃には ページを繰る指が止まらなくなる 圧倒的な筆力もスゴい。 それぞれが微妙に重なり合いリンクする 連作短編集だけど、 ...

いやぁ〜面白かった! 死を扱いながらも、 これほど甘美で官能的な作品集は そうそう お目にかかれないんじゃないかな。 物語に施された仕掛けが解る頃には ページを繰る指が止まらなくなる 圧倒的な筆力もスゴい。 それぞれが微妙に重なり合いリンクする 連作短編集だけど、 作品全体に漂う 静謐でいて 濃密な死の匂いと 秘密めいた背徳の香り、 視覚と臭覚を強烈に刺激する 美しく慎み深い文体に ただただ うっとりとしてしまいます。 腐っていく 苺のショートケーキや キッチンで 密やかに泣く少女、 少女の唇からあふれ出す キーウイの果汁など、 沢山の淫らでエロティックなものを モチーフとしながらも 品性を失わない文体は さすが小川さんって感じかな。 冷蔵庫の中で窒息死した息子のために、 誕生日のケーキを買いに来た母親を描いた 「洋菓子屋の午後」 謎の老婆が作るキーウイと 手の形をした人参の謎がコワい! 「老婆 J」 白衣のポケットから出てきたのは 干からびたプラムの実、球根、ミャミソール、聖書、コンドーム、 そして…!! 「白衣」 心臓を入れる鞄を依頼された職人の悲劇を描いた傑作 「心臓の仮縫い」 傷心の彼女が 古い家で見たものは、 様々な国で使われていた拷問器具の数々だった… 「拷問博物館へようこそ」 などなど 下手なホラーより怖くて 幻想的な全11編。 しかし小川作品を読むと いつも死を考えさせられます。 動物にとっては 当たり前に受け入れるだけの「死」が 人間にとっては あたかも異常なことのように 見なされてる現実。 人は生きていることが当たり前になって勘違いしてしまいがちだけど、 ちょっとした風向きの変化で 今ある命なんて 簡単に消滅してしまう儚い存在だということを 常にどこかに持っていなければと思う。 「自分は、死ぬところに向かって 生きているんだ……」 と漠然と考えるだけでいい。 それだけで 人への接し方や 毎日の選ぶ行動や 生きる姿勢までもが違ってくると思う。 とまぁ、そんなこんなで(笑)、 エロとグロが幻想的に絡み合う、 イッキ読み必至の 傑作ですよ〜(^_^)v

Posted byブクログ

2012/09/23

静かに朽ちていくお話かと思いきや、結構生々しくグロテスク。 ちょっとずつ奇妙に狂った感じを、また次に繰り越していくような不思議な連作短編集。 拷問器具とか心臓をいれる鞄とか、いろいろとヒヤッとさせられた。 またこの表紙や挿し絵が、本編の日常とのズレをより一層濃くしている。

Posted byブクログ

2012/05/08

怖いような少々ホラーのような短編集かと思ったら、小さな欠片が破片のようにリンクして、次へ次へとどんどん繋がる。時間も越え、時には舞台すら架空になり、その架空な世界がまたリアルに戻り…。ラストへのループが気になって、一気読みでした。面白いけど怖い。けど面白い。

Posted byブクログ

2011/12/05

子供を亡くした女性、その女性がケーキを買う店の店員、その店員が幼い頃に食べたキウイを運んだ大家、そのアパートに住む作家、その作家を2年間だけ母親に持った子・・・という風に全ての話が順々につながると思いきや、その輪がなぜか渦巻きとなり、簡単に一巡させてはくれない。何が真実かわからな...

子供を亡くした女性、その女性がケーキを買う店の店員、その店員が幼い頃に食べたキウイを運んだ大家、そのアパートに住む作家、その作家を2年間だけ母親に持った子・・・という風に全ての話が順々につながると思いきや、その輪がなぜか渦巻きとなり、簡単に一巡させてはくれない。何が真実かわからなくなる話。ミニチュアで作った西洋の町、のようなところに、腐ったショートケーキと、人の手形の人参と、はいだ虎の皮が降り重なる、のだから、そもそも真実なんてどうでもいいのかもしれないが。

Posted byブクログ

2011/08/06

物語の組み立て方は面白いデス。登場人物も個性的でイッキに読めちゃいます。惜しいのは最後のお話にもう一捻り欲しい。一寸物足りなさの読後感。

Posted byブクログ

2011/01/11

短編連作集。11編の作品が繋がっているのですが、推理小説の連作のような筋の通った規則性は見いだせない。それがこの本全体をぶわんとベールで包み込むような感じで、魅力的です。毎度ながら食事中には思い出したくない描写が多いですが、何故かまた読みたくなる。好き嫌いが分かれると思うので誰に...

短編連作集。11編の作品が繋がっているのですが、推理小説の連作のような筋の通った規則性は見いだせない。それがこの本全体をぶわんとベールで包み込むような感じで、魅力的です。毎度ながら食事中には思い出したくない描写が多いですが、何故かまた読みたくなる。好き嫌いが分かれると思うので誰にでもお勧めという訳にはいかないのですが、私は好きです。まさに「拷問博物館へようこそ」といった感じです。

Posted byブクログ

2009/10/07

思いっきり「小川ホラー」な世界です…怖いです… 短編なんだけど、ちょっとずつそれぞれが連なっていて それがまた怖い…(゚Д゚|||)

Posted byブクログ

2009/10/04

表紙がモロいってるのに 内容はエロティックなものが一切なし 思わず拍子抜けしてしまうほどだった でも文章は相変わらず綺麗で 全部の物語が一つの輪となるのを思い描くことができた 世の中には色々な人がいて 色々な感情もち 色々関係を築くけれど 世界は狭いから 色々な人が関係してい...

表紙がモロいってるのに 内容はエロティックなものが一切なし 思わず拍子抜けしてしまうほどだった でも文章は相変わらず綺麗で 全部の物語が一つの輪となるのを思い描くことができた 世の中には色々な人がいて 色々な感情もち 色々関係を築くけれど 世界は狭いから 色々な人が関係していく中に 一人の人生が造りだされるのだと思った

Posted byブクログ

2009/10/04

変わった小説である。いくつものストーリーが収められていて、それぞれが緩やかに関係している。時と空間をこえて、それらのストーリーが展開していく。どこかに落ちがあって、全部のストーリーがつながるのかと期待していたが、結局それはなかった。でも、冷蔵庫で死ぬ話が最初と最後にあり、これが何...

変わった小説である。いくつものストーリーが収められていて、それぞれが緩やかに関係している。時と空間をこえて、それらのストーリーが展開していく。どこかに落ちがあって、全部のストーリーがつながるのかと期待していたが、結局それはなかった。でも、冷蔵庫で死ぬ話が最初と最後にあり、これが何らかのキーになっているのかもしれない。

Posted byブクログ

2009/10/04

手のひらの形をしたにんじんというのがすごく怖かった。 バラバラな話のようで少しずつリンクしている。何が本当かわからなくなる。全体的になんだか怖い。

Posted byブクログ