ダイエットの歴史 の商品レビュー

海野弘(著者)

2021/09/03

20世紀のアメリカを中心としたダイエットの歴史を解説した本。その昔はダイエットは一部の男性がするものだったが、食糧事情が改善し、女性も活動的になった結果、ダイエットは女性が中心となる。

ダイエットは、というより理想とされる体型は、かなり社会や科学の発展と密接に関わっていることが分かった。ダイエットすべしという背景には、体型は自分でコントロールできるという思想がある。19世紀まで女性はダイエットと無縁だった理由の一つとして、女性は受動的であり、自分の身体をコントロールできない存在とされていたのがある。それが19世紀後半のフェミニズム運動によって女性も自分の身体について責任を持つようになり、ダイエットをするようになったのだと。

現代においては太っているのは自律できない人間だとみなされる風潮がある一方で、痩せを求めすぎるのも自分の身体に自信がなく他人の目を気にしすぎるというマイナスのイメージが有る。そう考えると現在は理想とされる体型が変化しつつある過渡期なのかもしれない。肥満は食生活や運動だけで決まるのではなく、遺伝子の影響も大きいことが最近では分かってきている。こういった知識が広まるに連れ、また理想とされる体型も変わるのだろう。

2012/05/31

ダイエットの歴史を知りたいという軽い気持ちで読み始めたら、すごく深い内容が多くて、消化しきれず、もっともっと詳しく知りたいという気持ちになりました。なぜ、女性なのか、なぜやせていることが美しいとされるようになったのか、という部分はまだ理解しきれていないし、フェミニズムの問題ともかなりかかわっているので、女性の社会進出と身体にどんな関係があるのか、人にも説明できるように理解したいです。

2011/11/27

西洋における今日的な意味での「ダイエット」の起源を紹介している。
参考にはなるが、いまいちしっくりこない箇所もいくつかある。

時代時代の流行のファッションとも関連付けているので、その点をするには良い。