死ぬ瞬間 完全新訳改訂版 の商品レビュー
死の分野に関する世界的ベストセラーということで読んでみた。 どうやら死の五段階説でとても有名らしい。 五段階とは、「否認と孤立」→「怒り」→「取り引き」→「抑鬱」→「受容」だ。やってくるのは必ずしもこの順番ではないらしいが。 読んでみて思うことは「死ぬ瞬間」という訳語は明らかに...
死の分野に関する世界的ベストセラーということで読んでみた。 どうやら死の五段階説でとても有名らしい。 五段階とは、「否認と孤立」→「怒り」→「取り引き」→「抑鬱」→「受容」だ。やってくるのは必ずしもこの順番ではないらしいが。 読んでみて思うことは「死ぬ瞬間」という訳語は明らかに適切ではない。むしろ原書の On Death & Dyingを素直に訳した「死とその過程について」がぴったりくる。 いずれにせよ、死へといたる人間の心の動きを研究した画期的な書である。 本書は末期患者へのインタビューを軸にした書籍だが、他著者で死刑囚に対するインタビューの著作があれば読んでみて比較してみたいなと思った。
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死という分野の本は初めて読んだ。 人が死についてどんな思いを持っているのかわかる本。 死ぬ瞬間は、恐ろしいものでも苦痛に満ちたものでもなく、身体機能の穏やかな停止である。
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完全新訳改訂版。On Death and Dying 末期患者の心を捉える。患者の気持ちを考えない医師と看護婦。 末期患者は、否認と孤立。怒り。取引。抑鬱。受容。の各段階を経ると言う。 訳者によると、『「死ぬ瞬間」と臨死体験』と『人生は廻る輪のように』を読んでほしいとのこと。
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死というタブー視されるテーマに真正面から向き合う本。自分にも明日訪れるかもしれない余命宣告、他人事ではない。宗教的な部分は無宗教の私にはよく分からなかったが、避けては通れない将来の為に読むべき本でした。
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(英文4年生 小島さんより) 健康に日々を生きる今、「死」を身近なこととして考えることはあるだろうか。 本書は人が死に直面した時、その受け入れるまでの過程の中で、何を思い、何を求めるのかを末期患者へのインタビューを通じて人々の死への心理を探り、終末医療のあり方を考察した書です。...
(英文4年生 小島さんより) 健康に日々を生きる今、「死」を身近なこととして考えることはあるだろうか。 本書は人が死に直面した時、その受け入れるまでの過程の中で、何を思い、何を求めるのかを末期患者へのインタビューを通じて人々の死への心理を探り、終末医療のあり方を考察した書です。 高校3年生の受験を控えた最後の夏、教頭先生に薦められたこの一冊は「死」を考えようともしていなかった私のなかでとても衝撃的なものでした。 例えば、緊急医療が施される場合、医師は最善を尽くそうとし心拍数、脈拍、心電図、その他機能を示す数値に目を向ける。そこでは機械化された医療があり患者個人の人格、意見は無視される。 高度な医療技術は人々の死への恐怖を克服するため‘延命’という手段で死から私たちを遠ざけるが、同時に、患者というひとりの人間が死へ向き合うことをも遠ざける。 「死」を一つの点でなく、それまでの過程として考えることで限りあるいのちを今よりもっと考えさせてくれる一冊です。 章の初めに毎回紹介されるアジア初のノーベル文学賞を受賞した詩人、タゴールの言葉も暖かく響き渡ります。
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「NEXT READING」 (死の恐怖とはどんな恐怖?)・・・「死」は人間にとって忌むべきもの、「私たちは無意識のうちに『自分にかぎって死ぬことは絶対にありえない』という基本認識を持っている。」、死ぬのは殺されるときだけであり、自然現象や老齢のために死ぬなんて考えられないのだ、そのために死は、それ自体が報いや罰をまねくような悪い行いと認識される。 (死の恐怖からのがれるためにどう考えるのか?)・・・”否認と孤立”、”怒り”、”取り引き”、”抑欝”、”受容”(感情がほとんど欠落した状態で死について語る。)、これらのメカニズムを援助者や家族が知り、本人の死と死への恐怖を受け入れること、座って耳を傾けそれが何か(要求)はっきりさせれば、満たされる。 (悲しみの解消方法は)・・・もう手の打ちようがない状態のときでも自分のことが忘れ去られていないのだと気づき、慰められる(夕刻の面会)。 (「死」を通じて知ること)・・・5段階のメカニズムは「死」に限らず、人が直面する課題で受けるメカニズム。「死」は人間を知る一つの方法。
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エリザベス・キューブラー・ロス博士の伝説的名著と言っていいのではないでしょうか。 大学1年生だったから今からもう20年以上前に初めて読みました。当時、人文演習ゼミで「死」をテーマに研究していたからです。結局、論文にはほとんど使えませんでしたが。 しかし、改めて読んでみて、その当時...
エリザベス・キューブラー・ロス博士の伝説的名著と言っていいのではないでしょうか。 大学1年生だったから今からもう20年以上前に初めて読みました。当時、人文演習ゼミで「死」をテーマに研究していたからです。結局、論文にはほとんど使えませんでしたが。 しかし、改めて読んでみて、その当時の驚きと感動が蘇り、この本の普遍性に感じ入ったわけであります。 レベル:663
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死の5段階説は有名で、障害やショッキングな出来事を受け入れるまでの心の動きにも応用されている。しかし、直前まで続く患者は何らかの希望をっており、援助者がその希望を踏みにじってはならないというメッセージは忘れられていないだろうか?告知で「医者に見放された」と感じる患者がいまだに少な...
死の5段階説は有名で、障害やショッキングな出来事を受け入れるまでの心の動きにも応用されている。しかし、直前まで続く患者は何らかの希望をっており、援助者がその希望を踏みにじってはならないというメッセージは忘れられていないだろうか?告知で「医者に見放された」と感じる患者がいまだに少なくない原因がこの辺りにあるように感じた。死に行く方に関わる一人として自戒の意味を込めて。
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死と言うものが、自分から遠いとは感じていた。 この本では、なぜ現代の人が死を忌避するのか、そのメカニズムが明快に書かれている。 死が痛ましいもの、辛いものであると思えば思うほど、生きている人の目から遠ざけようとする。昔であれば、遠ざける場所などなかった(自宅で死ぬことが多...
死と言うものが、自分から遠いとは感じていた。 この本では、なぜ現代の人が死を忌避するのか、そのメカニズムが明快に書かれている。 死が痛ましいもの、辛いものであると思えば思うほど、生きている人の目から遠ざけようとする。昔であれば、遠ざける場所などなかった(自宅で死ぬことが多かった)し、病から長く生き延びるすべもなかった。死が身近にあった。 が、現代では死ににくくなった。 それゆえに「(実際に死が身近になるまで)自分は死なない」と考えることが多い。それはなんとなく分かる。生と死が寸断されている感覚。人は必ず死ぬということは知っているけど、それが自分と結びつかないような。 この本は、死を身近に感じた人にインタビューを取り、どのような過程を経て「死を受け入れていくか」を記録した本である。分析というよりは……インタビューをし、患者と医療従事者、そして家族の心が変容する様が綴っられている。(おそらく客観的に整理した結果なんだろうけれど、生々しいと感じる) 遠い未来か、近い将来、自分も死と向き合うことがあるだろうし、身近な人の死と出会うかもしれない。向き合う前に読んでおいて良かったと思えた一冊。 ……にしても、あとがきに記されている著者のその後が……なんとも……。この本はインタビューに基づく事実だと思えるけど、その後は幽霊を見たり、スーパーナチュラルに行ってしまった様子。 幽霊が居ないとも、スーパーナチュラルの世界がないとも言いきれない。しかし、分かる、共感できるというのは共通認識を前提とするものだと思うので、選ばれた人だけが分かること(幽霊やスーパーナチュラル)を前提としてしまって……患者と向き合えたんだろうか。著者はもう亡くなられてしまったそうだが、その最後が受容であれば、と思ってしまった。
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図書館で借りた本。 なぜ借りたのかは分からないのですが, とても参考になった本です。 死ぬまでの間に人が必要とすることは対話なのだなと思った。 今,私も対話を必要としている。
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