生きることはすごいこと の商品レビュー
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安野光雅さんと河合さんの対談 お互いの子供時代の武勇伝は戦前なので、あまり参考になりませんが、大人としての心得を、頭脳明晰な二人がおもしろおかしく解いているので勉強になります。 日本人の男の親友関係は、アメリカ的にはホモと映る。とか、生活保護は生きていけないかもしれないという自由を奪う。とか、夏目漱石の「心」には、巻末に「感想文の書き方」というおせっかいな付録がついているものもある。とか、ヨ-ロッパ人というのは、長い歴史をもっているから、アメリカ人のようにかっこのいいことばかり言ってはいない。とか、ボランティアをやっている人というのは厚かましい人が多い。とか、「日本人は前置きも無く変身できるが、キリスト教文化には輪廻という概念がないから、魔法という手段で変身を考えざるをえないんです」とか、ウソをつく子どもには、ウソもほんとうもないわけです。その場の真実を語っているわけだから。とか、スイスあたりではみんな保険に入っているから、園児がケガをしても、先生は責任を問われないんです。とか、放生会で生き物を放してやるくらいなら、最初から捕まえなければいいのに。とか、箱庭をつくるだけで、こっちがなにも分析したり解釈したりしなくても治るというのが、西洋人には不思議でしょうがないらしいね。 など、のおもしろい話がありました。 全体的には、安野さんの河合隼雄賛歌のような感じに思える本です。
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先日安野さんのインタビュー記事を読んで、何か安野さんの文章を読みたいなと思って探したらヒットした一冊。 河合隼雄先生と対談されてたんだ、と思い図書館から借り受け。奥付を見ると10年前の出版。 しかし内容は10年前とは思えない今にも充分言える話ばかり。特に教育に関する話(校長先生の話など)や震災時における日本人の行動の話など、東日本大震災の前に出ている本なんだよなと改めて奥付を見直したくらい。 日本人は良くも悪くも10年くらいでは変わらないという事なのかもしれないし、10年経っても大して世の中は良くなってはいないということなのかもしれないなとも感じました。 平成が終わろうとしている今読んでも遜色のない、考えさせられる対談集です。
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お二人の対談からなる本。 緊張感のある対談集というより、気の知れあった二人の会話を覗き聞くような感じ。 この本を読んで、今まで知り得なかった「普段の顔の」と言うか、休日の河合氏を垣間見れたような、そんな感じがした。
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