桜雨 の商品レビュー
坂東真砂子の書く女性はリアルで、共感というよりも、哀しみを感じます。どんなにがんばっても時間にだけは逆らえない。 こんな哀しい気持ちを感じる時が少しづつ近づいていくのが怖いです。
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昭和初期頃に描かれたと思われる一枚の幻想的な日本画。その作者は一体誰なのか、そして描かれた情景とは…?かつて一人の女性が陥った壮絶な愛憎の記憶が、絵の出現とともに現代に蘇る。 登場人物の誰にも共感できず、むしろ反発を覚えるばかりなのに、ラストで明かされる意外な真実には胸を打たれた...
昭和初期頃に描かれたと思われる一枚の幻想的な日本画。その作者は一体誰なのか、そして描かれた情景とは…?かつて一人の女性が陥った壮絶な愛憎の記憶が、絵の出現とともに現代に蘇る。 登場人物の誰にも共感できず、むしろ反発を覚えるばかりなのに、ラストで明かされる意外な真実には胸を打たれた。不思議な読後感だ。 ☆島清恋愛文学賞
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それは目を奪う絵だった。 薄墨の夜を背景にして紅蓮の炎が舞いあがる。燃えているのは木造の家屋だろうか、炎に照らされて二人の女の顔が浮かんでいる。何を考えているのかはわからない。苦しみを抱えているようでもあり、頬を緩めて、苦しみから解放された安堵の表情にも見える。火焔が起こす...
それは目を奪う絵だった。 薄墨の夜を背景にして紅蓮の炎が舞いあがる。燃えているのは木造の家屋だろうか、炎に照らされて二人の女の顔が浮かんでいる。何を考えているのかはわからない。苦しみを抱えているようでもあり、頬を緩めて、苦しみから解放された安堵の表情にも見える。火焔が起こす上昇気流に揉まれ乱れ舞う桜の花びらが女たちの体を包み込んでいて、見るものを幻想の世界へと誘う。※ 全く無名の作家が書いた一枚の絵。凄味と妖艶さを併せ持つ傑作。 小さな出版社で幻想絵画集の発行を企画した彩子は、その取材過程でこの絵に出会う。そして心を奪われる。このを描いたのは誰なのか。 彩子は戦前の池袋に『池袋モンパルナス』と呼ばれた若い芸術家たちが集まった村があったことを知る。若い感性を磨き、切磋琢磨して新しい芸術の波を開こうと苦闘していた画学生たち。この絵はそんな環境の中で生まれた絵だった。 次第に明らかになるのは絵に秘められた一人の才能ある絵描きだった男の執念、そして男に翻弄され、嫉妬と怨念にとりつかれてしまう二人の女。 この絵に描かれた男と女の壮絶な人生とは・・・ 芸術に囚われ、愛に囚われ、動乱の時代にのみこまれていった忘れられた愛憎の記憶。 あまりに切なく美しき恋愛文学。 今まで4回読み返した本。 ※絵の描写は自分が本文の内容から想像したものです。絵は実在しません。
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登場人物が出版社勤務の30歳前の額田彩子と、 かつて同じ美術学校に通っていた美紗江と早夜。 現在と戦時中の話が交互に描かれ更に語り手まで変わる。 1枚の絵の作者・西遊を探す額田と、 西遊を愛した二人の女の嫉妬と執念の物語が交差して、 驚愕の事実が晒される。 読みモノとしてはスゴイ...
登場人物が出版社勤務の30歳前の額田彩子と、 かつて同じ美術学校に通っていた美紗江と早夜。 現在と戦時中の話が交互に描かれ更に語り手まで変わる。 1枚の絵の作者・西遊を探す額田と、 西遊を愛した二人の女の嫉妬と執念の物語が交差して、 驚愕の事実が晒される。 読みモノとしてはスゴイんでしょうけど、 主人公の女が大嫌いな人種なので読んでいて苦しかった。
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東京の小出版社に勤める額田彩子は、幻想絵画集の出版準備をすすめる中、一枚の絵に出会った。闇の中を渦巻いて立ちのぼる朱色の炎、火の粉と共に乱舞する桜の花びら、描かれたふたりの女―。絵に魅せられ、その謎を追う彩子の前に、当時を知るひとりの老女が現れる。戦前の芸術村・池袋モンパルナスで...
東京の小出版社に勤める額田彩子は、幻想絵画集の出版準備をすすめる中、一枚の絵に出会った。闇の中を渦巻いて立ちのぼる朱色の炎、火の粉と共に乱舞する桜の花びら、描かれたふたりの女―。絵に魅せられ、その謎を追う彩子の前に、当時を知るひとりの老女が現れる。戦前の芸術村・池袋モンパルナスで生きた放縦な画家・西游と、彼を愛した早夜と美紗江の凄絶な日々。島清恋愛文学賞受賞作。 (amazonより抜粋)
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老女二人を主人公にした戦中~現在の女の物語。 老女が主人公、巣鴨が舞台、というのが目新しく、序盤の風景描写から 興味をそそられました。 画家たちの生活も違う世界を見る感じで面白かったです。 展開していくストーリーは、だらだらとした色恋沙汰ですが 女性ならではの考え方が見えて、いろ...
老女二人を主人公にした戦中~現在の女の物語。 老女が主人公、巣鴨が舞台、というのが目新しく、序盤の風景描写から 興味をそそられました。 画家たちの生活も違う世界を見る感じで面白かったです。 展開していくストーリーは、だらだらとした色恋沙汰ですが 女性ならではの考え方が見えて、いろいろと興味深い作品でした。
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東京歩きがぱきらの趣味であることを知っている、 ある知人からのおススメ。 ぱきらが縄張りとしている池袋界隈のお話です。 池袋モンパルナスとか、桜ヶ丘パルテノンとか……。 ほとんど読まない恋愛小説というジャンルでしたが、 予想に反して(?)楽しめました。 さすが坂東真砂子作品……...
東京歩きがぱきらの趣味であることを知っている、 ある知人からのおススメ。 ぱきらが縄張りとしている池袋界隈のお話です。 池袋モンパルナスとか、桜ヶ丘パルテノンとか……。 ほとんど読まない恋愛小説というジャンルでしたが、 予想に反して(?)楽しめました。 さすが坂東真砂子作品……という仕掛けもあり。 都市の歴史あり。池袋散歩の参考にどうぞ♪です。
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ジャンルはホラーサスペンスと言えるだろうが、 ロマンス要素もかなり強かったと思う。 三角関係に絡む一枚の絵画の謎解き。 最後の最後にハッとするような結末が!
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坂東真砂子=ホラー、のイメージあったけど・・・ この作品もある意味ホラーかな。 池袋モンパルナス、と呼ばれた戦前のアトリエ村。 そこで強烈な生を駆け抜けた画家・西遊と彼を取り巻く2人の女、早夜と美紗江。 そして、歴史の闇に埋もれた3人を掘り出そうとする彩子。 過去と現在と現実...
坂東真砂子=ホラー、のイメージあったけど・・・ この作品もある意味ホラーかな。 池袋モンパルナス、と呼ばれた戦前のアトリエ村。 そこで強烈な生を駆け抜けた画家・西遊と彼を取り巻く2人の女、早夜と美紗江。 そして、歴史の闇に埋もれた3人を掘り出そうとする彩子。 過去と現在と現実と幻想が幾重にも重なり合っていた。 激しさの割にはひっそりと暗い匂いのする、そんな作品だった。
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