ユルスナールの靴 の商品レビュー
「作家は作品を書き終えたら死ぬ、ということばをどこかで読んだことがあるが、たぶん彼女の場合にもあてはまるのだろう。」(文庫p.251) この「彼女」はユルスナールだが、また著者にもあてはまるのが、何とも悲しい。
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本屋でオススメされた本。須賀敦子作品は「ミラノ 霧の風景」以来 須賀さんはとにかく文体が美しい。育ちの良さを表現するピカピカの靴と、経験を表現するグシャグシャの靴 今はもう会えなくなった、友人たちへ
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美しく知的な文章だな~。 絵の描写、廃墟の描写、回想、寂しい島の描写、いずれも素晴らしい。 ヨーロッパか…。
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◼️ 須賀敦子「ユルスナールの靴」 少し幻想味を交えた、ヨーロッパ留学の自伝と、ユルスナールの軌跡との交錯。この書き方こそが真骨頂なのかなと。 須賀敦子さんの文章はヨーロッパでの生活や感じたこともさることながら、別の視点を混ぜたり、小説風に描いたりする。当地や文学的な知識も多...
◼️ 須賀敦子「ユルスナールの靴」 少し幻想味を交えた、ヨーロッパ留学の自伝と、ユルスナールの軌跡との交錯。この書き方こそが真骨頂なのかなと。 須賀敦子さんの文章はヨーロッパでの生活や感じたこともさることながら、別の視点を混ぜたり、小説風に描いたりする。当地や文学的な知識も多く盛り込む。前作「コルシア書店の仲間たち」ではもう少し具体的だったような気もするが2作挟んで1996年に出版されたこの作品は、えらく行きつ戻りつしている感じもある。 ユルスナールは「ハドリアヌス帝の回想」という歴史小説をものし、著者は後に軍事要塞として利用されたその墓所を観に行ったりする。 ユルスナールの著作、生涯を取り上げながらも、多くはイタリアを中心とする自分の長い留学生活の体験、幼児のころの記憶という印象だ。 「ハドリアヌス帝」、また16世紀のヨーロッパを舞台に異端審問に追われる男たちを描く「黒の過程」への理解を深める中で身近にあるものとの連関を描き出していく。 ユルスナールが同性のパートナーと晩年を過ごした、アメリカ大西洋岸のマウント・デザート島へ行き、生活した家、墓所を訪った著者は、最晩年のマルグリットの写真を見て、靴に注意を惹きつけられる。そしてなにを想うのかー。 ベルギーに生まれ、父に連れられてフランスで育ち、一次大戦でパリに戻れなくなり、長じて二次大戦前夜にアメリカ人の友人の誘いでアメリカに渡ってまたヨーロッパに戻れなくなり、旅から旅への生活を送ったユルスナール。著者は彼女に、逃げるように日本を離れ、長く留学した自分を重ねていたのかも、と思わせる内容でもある。 画家、絵本作家の伊勢英子さんも、著作を読んでいると、ほとんど衝動的にスペインへ旅立つというイメージがある。なにか呼ぶものがあるのか、自己確立、維持のために必要なものを求めるのは人の性なのか、興味深い。 須賀さんが兵庫県で育ったということを知って少し親近感。ユルスナールは寡聞にして知らなかった。図書館で探してみようかという気になっている。
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(2024/06/21 3h) ひとに勧められて読んだ。 すきな文章だった。 ユルスナールを知らなかったので、読む前にWikipediaで浚った。三島由紀夫の著作を好意的に 評しているということで嬉しい気持ちになる。 須賀敦子のエッセイの体を取る本。 とりあえず、須賀敦子と...
(2024/06/21 3h) ひとに勧められて読んだ。 すきな文章だった。 ユルスナールを知らなかったので、読む前にWikipediaで浚った。三島由紀夫の著作を好意的に 評しているということで嬉しい気持ちになる。 須賀敦子のエッセイの体を取る本。 とりあえず、須賀敦子とユルスナールを知らない更の状態でも味わうのできる本。 テイストで喩えると、セピアっぽい郷愁の滲む温かさ。癒される文章。 ピラネージ良かった!思わず得ることのできた知識もうれしい。 ユルスナールも読もう。
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スウェーデンの鉄道の中で読んだ。 ユルスナールと、ハドリアヌスと、須賀敦子 静かに人生が流れていく時間。自分もぴったりのお気に入りの靴を履いて、それで足跡をつけていきたい 誰か一人でも、その足跡に気づいてくれたら嬉しい
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ヨーロッパに渡り長いこと暮らした須賀敦子だからこそ書ける文学案内。ユルスナールの大著『ハドリアヌス帝の回想』の紹介がメイン。自らとユルスナールとさらにはハドリアヌス帝の、それぞれの「霊魂の闇」の深さを重ね合わせ、静かにそこに降りていく文学的な語り口には感嘆のため息しか出ません。 ...
ヨーロッパに渡り長いこと暮らした須賀敦子だからこそ書ける文学案内。ユルスナールの大著『ハドリアヌス帝の回想』の紹介がメイン。自らとユルスナールとさらにはハドリアヌス帝の、それぞれの「霊魂の闇」の深さを重ね合わせ、静かにそこに降りていく文学的な語り口には感嘆のため息しか出ません。 マルグリット・ユルスナール。 学生時代の一時期、サンドやデュラスと並んで惹きつけられた女性作家です。彼女はフランスを離れ女性秘書とともにアメリカで暮らし執筆しました。言葉を生業とするものにとって、ネイティブな言語が通じない環境に暮らすとはどんなだったのか、ひとり暮らしの私とも重ね合わせるところがありました。それゆえ今回この本を手にとってみたわけです。 「靴」は、須賀敦子がユルスナールに覚える親しみのアイコンだと思います。修道女となり夭逝した仲良しのようちゃんも、そのきれいな足にペタペタ鳴らす靴を履いていました。親しみと、距離と、須賀敦子がユルスナールに惹き付けられたのは、その相反した二つの感覚でした。 読み終えると、頑丈な農婦みたいなマルグリットのいかめしい顔が、幼女のような笑顔を見せたような気がしました。
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ユルスナールを読んだことがないのでどうかしらと思いつつ、美しい日本語と情感あふれる描写に引き込まれる。
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著者最期の作品。須賀敦子のや特徴である柔らかなふくらみのある文章をこれ以上に無く味わうことができる。 ユルスナールという女性作家の作品と人生を辿りつつ、同時に自らの人生を絶妙に織り込んで自然と語りきってしまうその手腕は円熟というに他無いと思う。 筆者が作中最後にユルスナールが最晩...
著者最期の作品。須賀敦子のや特徴である柔らかなふくらみのある文章をこれ以上に無く味わうことができる。 ユルスナールという女性作家の作品と人生を辿りつつ、同時に自らの人生を絶妙に織り込んで自然と語りきってしまうその手腕は円熟というに他無いと思う。 筆者が作中最後にユルスナールが最晩年まで過ごした部屋を訪ねるシーンがあるが、私たち読者もこの作品を通して、筆者の人生の節目節目を、一つずつ部屋を訪ねるようにそっと垣間見ることができる。 私の中の白眉は、幼少期の親友・ようちゃんとの別れを語った、「一九二九年」の章である。相変わらず涙腺に来るのである。
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マルグリット・ユルスナールとその著作、そして著者須賀敦子自身のエピソードを交錯させながら、見事に独自の世界を気づきあげています。改めて、須賀敦子の力量に感嘆します。
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