血のごとく赤く の商品レビュー
ビアズリー風の美麗な…
ビアズリー風の美麗なイラストと共に、稀代のストーリーテラーに味付けされた昔話をお楽しみあれ。
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白雪姫、シンデレラな…
白雪姫、シンデレラなど広く知られる童話をモチーフに著者流に書かれた魅惑の幻想童話集。ちょっと怖く、ぞくぞくするほど面白いです。
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白雪姫、シンデレラ等…
白雪姫、シンデレラ等の童話を「悪」に機軸を置く形でアレンジしたダーク・ファンタジー。「グリマー姉妹の・・・」というサブタイトルどおり、グリム童話の完全パロディでもある。むかし「本当は怖いグリム童話」というのがあったけど、それともまた趣が異なる。 どれもこれもハッピーエンドには程遠...
白雪姫、シンデレラ等の童話を「悪」に機軸を置く形でアレンジしたダーク・ファンタジー。「グリマー姉妹の・・・」というサブタイトルどおり、グリム童話の完全パロディでもある。むかし「本当は怖いグリム童話」というのがあったけど、それともまた趣が異なる。 どれもこれもハッピーエンドには程遠いが、かといって単純な悲劇でもなく、もとの筋立てを知っているだけにひねられたオチはそれぞれに味わい深い。文章は平易にして流麗、中世から近未来まで幅広い世界観を展開する筆力は素晴らしいと思う。
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<ダーク・ファンタジーの女王>タニス・リー流の童話集。『パラディスの秘録』シリーズを紐解く前に何か…と思って。結果、タニス・リーへのとても良い入口になった。 『報われた笛吹き(ハーメルンの笛吹き男)』『血のごとく赤く(白雪姫)』『眠り姫(いばらの森)』『時計が時を告げたなら(シ...
<ダーク・ファンタジーの女王>タニス・リー流の童話集。『パラディスの秘録』シリーズを紐解く前に何か…と思って。結果、タニス・リーへのとても良い入口になった。 『報われた笛吹き(ハーメルンの笛吹き男)』『血のごとく赤く(白雪姫)』『眠り姫(いばらの森)』『時計が時を告げたなら(シンデレラ)』『黄金の綱(ラプンツェル)』『姫君の未来(蛙の王様)』『狼の森(赤頭巾)』『墨のごとく黒く(白鳥の湖)』『緑の薔薇(美女と野獣)』の9編。 元ネタのイメージを逆転させて、もっと美しくてずっと執念深くてぐっと皮肉を効かせた、(あとがきによると)「悪魔のように美しい」おとぎ話。 どれも好きだけど、今回特に好みなのは『血のごとく赤く』『時計が時を告げたなら』『狼の森』『緑の薔薇』かな。 『緑の薔薇』は、醜い野獣だと思われていた異星人が本当はとても美しい神の様な生物であったことで、自らの醜さと精神の愚かしさを受け入れなければならない…というのが本当に素敵。 なんて皮肉で怖ろしい反転!
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タニス・リーの童話においては、母と娘は邪なたくらみにおいて結託する。 隠微さと、血のイメージの美しさを堪能。 「黄金の綱」「狼の森」が好み。 ことに「黄金の綱」では、“手首から飛びだす”“真紅の蝶の帯”、“真紅の紐”という言葉にクラクラさせられる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
いままでにも童話を焼き直したものを読んできましたが、これがピカイチ。今まで読んできた名作といわれる定番童話が色あせて感じる程。正義と悪、立場は常識を覆して、でもこちらを納得させる力で入れ替わり、魔法は神聖を帯び、初恋はエロスに変わる。「いばらの森」(眠り姫)の結末や、「緑の薔薇」(美女と野獣)のSF仕立てだけれど美しい世界に息をのむ。かなり好みです。
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さあさ、皆様お立会い。今宵始めさせていただくのはグリマー姉妹が集めた世にも美しく、奇妙な物語――。 そんなかっこつけた紹介が似合うような話です、実際。白雪姫、美女と野獣、ラプンツェル、シンデレラetc.誰もが知っているおとぎ話に斬新かつ大胆なアレンジを加え、原作よりもさらに綺麗で...
さあさ、皆様お立会い。今宵始めさせていただくのはグリマー姉妹が集めた世にも美しく、奇妙な物語――。 そんなかっこつけた紹介が似合うような話です、実際。白雪姫、美女と野獣、ラプンツェル、シンデレラetc.誰もが知っているおとぎ話に斬新かつ大胆なアレンジを加え、原作よりもさらに綺麗で切ない仕上がりになっている大人のための短編童話集です。ダークなファンタジー小説が好きな方、いかがですか? この作品の特徴として、必ずと言って良いくらい美形が出ることが挙げられます(乙女の皆さんも飽きさせない絶妙なポイントですね)。しかも、それがたいがい悪役であること(ヒール好きな方々のツボも心得ておいでです)。 おすすめは『黄金の綱』(ラプンツェル)、『時計が時を告げたなら』(シンデレラ)でしょうか。ラプンツェルは相手役のカレがかなりの悪です。シンデレラの方は…読んでみてのお楽しみということで。 好き嫌いが分かれる本かもしれませんが、私は好きでした。どの作品も胸に奇妙な息苦しさを残していくような気がするのです。挿画も世界観にぴったり、かつ色っぽかったです(とはいえ、そういう際どい場面はないですが)。たまには光あふれるファンタジーの逆を行く、闇サイドの幻想を味わってみるのはいかがでしょうか。
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ダークでキレイな童話。萩尾望都に描いてほしい世界。 ところでラストのお話、「美女と魔獣」じゃなくて「みにくいアヒルの子」のカバーだと思うのですがどうでしょう。
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