黙されたことば の商品レビュー
バッハ、シューマンからはじまり、ベートーヴェンでおわる25人の音楽家の人生を描いた25篇の詩。詩と音楽は切っても切れない繋がりがあると改めて感じた。テンポのいいリズムで紡がれる文章が心地よく、クラシック音楽に造詣が深くない自分でも楽しめた。パウル・クレーの「忘れっぽい天使」の表紙...
バッハ、シューマンからはじまり、ベートーヴェンでおわる25人の音楽家の人生を描いた25篇の詩。詩と音楽は切っても切れない繋がりがあると改めて感じた。テンポのいいリズムで紡がれる文章が心地よく、クラシック音楽に造詣が深くない自分でも楽しめた。パウル・クレーの「忘れっぽい天使」の表紙と題名に惹かれて何気なく手に取った一冊。
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凄い!と思いました。 文学者の方(長田さんは詩人ですが)には、音楽や美術など専門以外の芸術にも造詣の深い方が多いですね。 二十五人の音楽家のそれぞれの一生を二十五篇の詩にされていらっしゃいます。 あとがきを、拝読すると、すべての音楽を新たに聴きなおされたそうです。 私は、昨年の春まで子供にピアノを教えていましたが(もちろん音大卒ではありませんが)私なんかより、ずっと博識でいらっしゃいます。 バッハにとって音楽は労働であったとは知らなかったです。シューマンやシューベルトが、なぜ死んだのかも知りませんでした。ハイドンが幸福だったのはどこかで読んだ記憶があります。 でも、本当に無知でした。 音楽家の伝記は、モーッアルトとベートーヴェンくらいしか通読してなかったです。(積読はされていますが) 「牧神の問い」(ドビュッシー)や「無言歌」(メンデルスゾーン)はその旋律が聴こえてくるような明るさがあり癒されました。 「冬の光」(バルトーク)もよかったです。
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この詩集に収められているのは音楽家たちの人生と、彼らが「黙されたことば」として遺した音楽ということば。 詩人は目には見えないことばを、眼で聴いたり耳で見たりすることが大事なのだと言う。 そこで考えたり、深く感じたりが出来るからだ。 僕はその行為を「対象をありのままのものとして受...
この詩集に収められているのは音楽家たちの人生と、彼らが「黙されたことば」として遺した音楽ということば。 詩人は目には見えないことばを、眼で聴いたり耳で見たりすることが大事なのだと言う。 そこで考えたり、深く感じたりが出来るからだ。 僕はその行為を「対象をありのままのものとして受け入れること」なのだと思う。自分を対象に寄り添わせしっかり聴き、存在を見据えなければ受け入れることは出来ないのだ。 「黙されたことば」にはありのままのそのものを考えさせる力があり、その考えるという工程がその人の感性として培われる気がする。 この詩集には詩人の感性が詰まっていた。
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ややもすると難解になりがちな詩の世界で、誰にでもわかる言葉で詩を綴る詩人・長田弘氏が古今の音楽家とその音楽について寄せた詩集。
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