初ものがたり の商品レビュー
回向院の旦那こと岡っ引きの茂七が遭遇する数々の事件。江戸深川を舞台に大きな事件から小さな謎まで様々な人間模様が描かれる。 捕り物も楽しませるが、茂七が思案にくれるとつい立ち寄ってしまう稲荷寿司屋の正体不明のおやじやの謎も思わせぶりだ。また、この屋台の稲荷寿司や蕪の汁物や出てくる料...
回向院の旦那こと岡っ引きの茂七が遭遇する数々の事件。江戸深川を舞台に大きな事件から小さな謎まで様々な人間模様が描かれる。 捕り物も楽しませるが、茂七が思案にくれるとつい立ち寄ってしまう稲荷寿司屋の正体不明のおやじやの謎も思わせぶりだ。また、この屋台の稲荷寿司や蕪の汁物や出てくる料理の美味しそうなこと! これだけひっぱるのだから絶対に続編を書いてくれますよね? 知らなかったのだが、書名の由来はそれぞれの物語が季節の初ものを題材にしているところからきているそうだ。言われてみればなるほど。(2001-9-12) [お勢殺し] 大川に若い女の死体があがった。動機のある男にはアリバイがあって…。初ものは蕪。 [白魚の目] お稲荷さんの裏に住みついていた家なし子たちが殺された。いったい誰が?何のために?真相がわかると現代の社会をふりかえって背筋が寒くなる。初ものは白魚。 [鰹千両] 棒振り魚屋の角太郎のところにとんでもない客が現れた。びっくりした角太郎は茂七に相談するが…。親子の情と大金と。思わずほろり。初ものは鰹。 [太郎柿次郎柿] 兄と弟。他人でないだけに、外からは窺うことのできない暗く深い愛憎が存在するものなのか。初ものは柿。 [凍る月] 酒問屋の若旦那が茂七に相談をもちかけた。奉公人が逐電したという。裏には新巻鮭の失せ物騒ぎがあって…。初ものは新巻鮭。 [遺恨の桜] 占いやお払いで人気の霊感坊主が襲われた。霊感坊主は気にくわないなが、子どもが痛めつけられたと聞いては茂七も黙っちゃいられねえ。どうやら原因は占いの一つにあるらしく…。あちらこちらで親子の問題が見え隠れする一作。初ものは桜。 収録作品 [お勢殺し] [白魚の目] [鰹千両] [太郎柿次郎柿] [凍る月] [遺恨の桜]
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会社の同僚から借りて読んだ。 何を隠そう「初宮部みゆき」(^ ^; そして、読んでみて気づきましたが、 ほとんど「時代物」の小説って、 読んだことがなかった私(^ ^; それでも、まったく違和感なく読めました。 これは、子供のころから「落語好き」 だったことが影響しているかも...
会社の同僚から借りて読んだ。 何を隠そう「初宮部みゆき」(^ ^; そして、読んでみて気づきましたが、 ほとんど「時代物」の小説って、 読んだことがなかった私(^ ^; それでも、まったく違和感なく読めました。 これは、子供のころから「落語好き」 だったことが影響しているかも!?(^ ^ ストーリーは、岡っ引きの茂七親分と、 その子分やらおかみさんやら、 周りの人々とのやりとりを中心に進む。 江戸の庶民の日常が丁寧に描かれていて、 本当に落語の世界にひたれる感じ(^ ^ 「初ものがたり」というタイトル通り、 食べ物にまつわるストーリーを集めた短編集。 「一応」ミステリというか、 不思議な事件が起きて謎解き、 とかもするのですが... どうもそれがメインとも言えない感じ(^ ^; 何やら過去がありそうな「稲荷寿司屋の親父」だの 船宿を営むヤクザ者だの、魅力的なキャラ満載(^ ^ また茂七親分も、本当に親分肌で人情家で、 全体的に「ゆるやかな銭形平次」的な(^ ^ 最後まで読んでも、実は「謎」が 何一つ解決されてなかったりして(^ ^ 実はシリーズものか、とも思ったが、 どうもそうでもないような(^ ^; 「シリーズ化希望」作品か!?(^ ^;
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食べ物の描写が卓越。 屋台でしっぽりお酒を飲みながら美味しい物を食べて、考え事をしたくなる。 推理小説でもありながら、何度も読み返したくなるような趣がある。
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回向院の岡引き茂七の短編シリーズ。 茂七シリーズだったら、『本所深川ふしぎ草紙』の方が絶対おもしろい。ただ今回は、美味しい稲荷寿司を出す屋台のおやじが初登場。どんな人なのかが謎だからちょっと楽しみ。
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読み終わったあと、これで終わり??感がすごくあった。 短いお話がたくさん入ってて私は好きなんだけど、でも解決した感が無い話もあったので☆ー1
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宮部みゆき、いっつも「なんか適当に読めるものないかな」っていう積極的でない動機で読み始めるのに、いっつも引き込まれてしまう。 初ものがたりは、本所深川をあずかる岡っ引き・茂七と、下っ引きの糸吉・権三が、江戸で起こる事件に立ち向かう連作。 謎の稲荷寿司屋台の親父や、超能力少年など...
宮部みゆき、いっつも「なんか適当に読めるものないかな」っていう積極的でない動機で読み始めるのに、いっつも引き込まれてしまう。 初ものがたりは、本所深川をあずかる岡っ引き・茂七と、下っ引きの糸吉・権三が、江戸で起こる事件に立ち向かう連作。 謎の稲荷寿司屋台の親父や、超能力少年などなど、登場人物もなんだかいい。 稲荷寿司屋の親父の正体はなんなのか、気になるところ。 続編は、連載していた雑誌の休刊でストップしているとかで、出ていないみたい。 続編読みたい、というか、親父の正体を知りたい。 親父がかっこいい。 宮部みゆきは、ちょっと軽く読めて楽しいので、その程度にしか読んでいないけど、純粋に楽しみのために読めるので好きです。
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岡っ引きの茂七親分と、稲荷寿司屋の親父。 調度良い間合いをとりながらの付き合い方が 読んでいて心地いい。
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深川をあずかる岡っ引きの茂七親分が江戸の下町で起こる摩訶不思議な事件に立向かう。個性あふれる登場人物たちと織り成す人情捕り物帳。 よかったです。さすが宮部さん。江戸の町で経済的にいっぱいいっぱいながらも懸命に生きる人々を優しい視線で描いています。現代の警察官も親分みたいに人格...
深川をあずかる岡っ引きの茂七親分が江戸の下町で起こる摩訶不思議な事件に立向かう。個性あふれる登場人物たちと織り成す人情捕り物帳。 よかったです。さすが宮部さん。江戸の町で経済的にいっぱいいっぱいながらも懸命に生きる人々を優しい視線で描いています。現代の警察官も親分みたいに人格者ならいいのにな。 私は「鰹千両」が好きでした。お金に目がくらみながらも大事なことを見失わない登場人物たちに好感。「太郎柿次郎柿」では、殺しの現場にあったせつない思いを、江戸時代の地方の窮状にからめて見事に描いています。 宮部ワールドは本当にいいなあ
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宮部みゆき氏を知った最初の作品。久しく触れていなかった活字の世界へ誘ってくれた作品。以来、宮部氏の"江戸話"を追っかけて行くことに。乞う、続編!
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本所深川を舞台に岡っ引き茂七親分が活躍する、連作時代短編集。江戸の食べ物がモチーフにもなっており、読むとお腹が空きます。
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