オクタビオ・パス詩集 の商品レビュー
鏡 ひとつの仮面から別の仮面へと 人は常に最後からひとつ手前の自我を求める ぼくはぼく自身のなかに沈み自分の体に触れることはない 詩 対立的なイメージがぼくの眼を曇らせ、別の、より深いものが、 イメージそのものを否定する。 熱いたどたどしい話し方、 より濃密な隠れた水が氾濫...
鏡 ひとつの仮面から別の仮面へと 人は常に最後からひとつ手前の自我を求める ぼくはぼく自身のなかに沈み自分の体に触れることはない 詩 対立的なイメージがぼくの眼を曇らせ、別の、より深いものが、 イメージそのものを否定する。 熱いたどたどしい話し方、 より濃密な隠れた水が氾濫させる流れ、 その湿った闇のなかでは、生も死も、 静止も運動も、同じものだ。
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◆1997年1月20日初版 訳:真辺博章 83の詩篇。◆言葉・海・夜・眼・韻・時間・小鳥・音楽・光……生命のうねり。意識と鏡。◆今回特に心に響いた詩は「言葉」「実物教授」「廃墟のなかの頌歌」「夜明け」「火蜥蜴」「幻影」「ジョン・ケージを解読する」「ぼくに見えるものと言うことの間に」「芭蕉庵」「戒め」「内部の樹木」…パスは東洋思想や俳句にも深い興味を持っていたよう。パスの詩はかっこいい。繰り返し読みたい。□
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