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高松宮日記(第8巻) の商品レビュー

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2017/01/01
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1997年刊。高松宮宜仁親王の手になる戦前・戦中の日記の集録。8/8巻中。 本巻は1945年1月~47年11月迄。  これではもはや戦闘詳録ですらない。大本営を離れていたためかもしれないが、海軍をして組織的・戦術的抵抗をし得なかったことを強く想起させる記述ばかりが続く。 ① 油なく、戦艦長門を相模湾へ向けての砲台代用として横須賀に繋留、とは個人的新奇(呉の伊勢・日向は既知)。 ② 阿南と天皇(終戦決定)との考えが大きく違うとの記述。  また大西瀧治郎(特攻作戦の生みの親とされる)が、終戦詔勅発表直前、翻意・戦争継続を促すよう高松宮に進言してきたとある。  しかし、逆に、高松宮は醒めた調子で冷たく、自邸から追い返している(情勢把握の稚拙さと抗戦派軍人の頭の固さを鼻白んだのか?)。2人の人となりや性格、その本質が垣間見えるエピソードだ。 等の記載が印象的である。  皇族の立場的限界と海軍における地位的な限界はあるものの、こういう、同時代の本音の書が開陳されたこと自体に大いなる価値を見いだせよう。  また、細かく見れば、更に発見があるかもしれない。  刊行にこぎつけた関係者(特に夫人)の熱意には敬服するばかり。

Posted byブクログ