西行を歩く の商品レビュー
「西行を歩く―さすらいの歌僧を追う旅」(槇野尚一)を読んだ。 西行のこと、いくつかの有名な歌以外、私はほとんど何も知らないのだなぁと、今更ながら呆然とするのである。 『月を見て心うかれしいにしへの秋にもさらにめぐり逢ひぬる』(西行法師) 出家した娘と別れるときに西行が詠んだ月...
「西行を歩く―さすらいの歌僧を追う旅」(槇野尚一)を読んだ。 西行のこと、いくつかの有名な歌以外、私はほとんど何も知らないのだなぁと、今更ながら呆然とするのである。 『月を見て心うかれしいにしへの秋にもさらにめぐり逢ひぬる』(西行法師) 出家した娘と別れるときに西行が詠んだ月の歌だと知ると、知る前の何増倍もの温かみが増す。 結局私の中では西行といえば、 『願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃』 なわけだが、この本読んだら〈もうちょっと西行の歌に親しまねばならんぞ〉と思わせられたな。 以外は蛇足 本文中、『駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人にあはぬなりけり』という歌の作者が『藤原業平』とあるが、『在原業平』ではないのかな。 写真紀行・熊野の「青渡岸寺」は「青岸渡寺」の誤りだね。
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