1,800円以上の注文で送料無料

誇りたかき掟 の商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/07/25

傑作選、というだけあって、第一線のハードボイルド、冒険小説家の作品が並んでいる。 大沢在昌、北方謙三、志水辰夫、高村薫、船戸与一の5名のほかの単行本で発表された作品を集めたもの。 この中では、大沢在昌の「スウィッチ・ブレード」と船戸与一の「爆弾の街」が冒険小説に分類されるのだ...

傑作選、というだけあって、第一線のハードボイルド、冒険小説家の作品が並んでいる。 大沢在昌、北方謙三、志水辰夫、高村薫、船戸与一の5名のほかの単行本で発表された作品を集めたもの。 この中では、大沢在昌の「スウィッチ・ブレード」と船戸与一の「爆弾の街」が冒険小説に分類されるのだろう。前者は、大沢さんお得意の諜報員が出てくるお話。後者はいかにも船戸作品、というベルファストを舞台にした狙撃者の物語。 北方謙三「風と女」、志水辰夫「石の上」、高村薫「日吉町クラブ」はハードボイルドのほうか。 暴力的シーンが出てくるのは「風と女」だけ。けれど、どれも「ハードボイルド」なんだよな。ハードボイルドとは登場人物の職業や舞台に起因するのではなく、登場人物の魂によって形成されるということなんだろう。 この中でわたしが一番面白かったのは「風と女」。セクトだのなんだのと若干今の若い人には理解に苦しむところもあるかもしれないけど、普通の小説として面白かった。 「日吉町クラブ」はこんなのもありか! と目からうろこが落ちた作品。これは、小説書く人ならなるほど! と思えるヒントがあるように思う。 「石の上」は登場人物の立場が最初のうちはわかりにくいのだが、ラストシーンのうまさはこれが随一。 そして「スウィッチ・ブレード」、「爆弾の街」はどちらも作者お得意の物語だけあって、おふたかたの作品に流れる悲壮感というかやりきれなさというか報われなさというか、そういうものが満ち満ちている。 さらに言えば、大沢さんは短編よりは長編の人だなあ、と改めて思うし、船戸与一の登場人物のキレっぷりは変わらないなあ、と笑ってしまったりした。 どの人の作品も読んだことないけど、ちょっと試しに読んで見たい、という方はどうぞ。

Posted byブクログ

2010/11/07

これも高村センセ作品が読みたくて手に取ってみた…… さすが、どれもこれも面白かったっす。 ハ~やはり未だ現役バリバリの第一線作家とは、こうしてどこを切っても「読ませる」ものを書くのねえ、と。

Posted byブクログ