空のオベリスト の商品レビュー
冒頭から正体不明の人物との銃撃戦というクライマックスシーン「エピローグ」から物語が始まり、そこから今回の事件の発端に時間を戻して語りだすという、ハリウッドのアクション映画かよと言いたくなる構成の本書。グイグイ読ませる格好良さと(まぁベタではありますが、これを1935年に書いていた...
冒頭から正体不明の人物との銃撃戦というクライマックスシーン「エピローグ」から物語が始まり、そこから今回の事件の発端に時間を戻して語りだすという、ハリウッドのアクション映画かよと言いたくなる構成の本書。グイグイ読ませる格好良さと(まぁベタではありますが、これを1935年に書いていた驚き)、小型機なので、ニューヨークからリノへ向かうのも、途中で飛行機乗り換えたり給油で中継地点の空港にちょいちょい着陸する辺り、大型機の直行便に慣れた私から見るとそれも目新しい。 犯人はアイツか?と思わせつつ、繰り返させる検討の中、全員が怪しくなさそうにも思え一方で全員が怪しくも見える……。飛行機の中という閉鎖空間と、タイムリミットつきの展開がサスペンス色も出してきてて、とても面白かった。
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フェアプレイに徹しているにもかかわらず最後のどんでん返しは予想の大外から来る。序盤から殺人事件(?)が起こり興味を惹く。それでもそんなに捜査しない不思議な状況が続いた後で怒るのは本当の殺人事件。そういう構成で語られている。前半もそういう企みであることを全く分からせないでいるのでわ...
フェアプレイに徹しているにもかかわらず最後のどんでん返しは予想の大外から来る。序盤から殺人事件(?)が起こり興味を惹く。それでもそんなに捜査しない不思議な状況が続いた後で怒るのは本当の殺人事件。そういう構成で語られている。前半もそういう企みであることを全く分からせないでいるのでわくわくするが後半はタイムリミットが迫る中で限られた容疑者から犯人を当てなければならないという緊迫感がひしひしと感じられるようになる。そして終盤の怒涛のどんでん返し。それを納得させるための「手掛かり索引」なるものが巻末に備え付けられている。感動した。
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