虚構の楽園 の商品レビュー
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社会主義ベトナムの夢見た楽園は「虚構の楽園」だった。理想郷が奪っていく、「持つ者」が失っていく、静かな残酷な物語。 理想郷の住人が人間である以上、理想は叶わない。そんな現実のお話。 1950年代のベトナムの土地改革のひどさを描いた。 この土地改革は毛沢東主義に基づくものだった。この頃はホーチミンは毛沢東と仲良かったので、中国共産党のように土地の公有と農民の集団化による生産量の増大を目指してみた。 しかし、そこで発生するのが持つ者もたざる者の格差、それを無理に是正しようとするから起きる不公平な簒奪。平等を目指す過程で起きる不公平の物語。 元地主の娘だったはずの主人公ハンは、持つものだったはずなのに、次々に失っていく。そこにあるドラマ。
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ベトナム革命とは何であったのかということが良く分かる小説である。ベトナム賛歌ばかりの評論が多いがそうではない、ということを書いたために党籍剥奪、逮捕拘禁を受けたという理由がわかる小説である。
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