ことばとからだの戦後史 の商品レビュー
演劇の指導にたずさわり、身体論の領野における独自の思索を展開したことで知られる著者のエッセイです。 「ことばとからだの戦後史」というタイトルから、戦後という時代を通じて日本人の身体観にどのような変化が生じたのかということを論じた内容を期待していたのですが、著者自身のさまざまな体...
演劇の指導にたずさわり、身体論の領野における独自の思索を展開したことで知られる著者のエッセイです。 「ことばとからだの戦後史」というタイトルから、戦後という時代を通じて日本人の身体観にどのような変化が生じたのかということを論じた内容を期待していたのですが、著者自身のさまざまな体験を回想しながら、身体やことばをめぐる著者自身の考えがそのときどきの体験にそくして語られるといった内容の本でした。 国語教師たちの研究会に参加することになった著者が、谷川俊太郎の「みみをすます」という詩をめぐって考察をおこなっているところでは、身体に根ざしたことばのありようについての著者自身の考えが論じられています。また、フランスで俳優学校を主催しているルコックのレッスンに参加したときの体験談では、著者自身が悩みながら、その独自の身体観を形成していった経過がうかがわれるような内容となっています。さらに仮面についての考察では、ルコックの指導との比較を通して、東西の身体および自我についての認識のちがいにまで説きおよんでいます。
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バイオグラフィーワーカー養成コースで 読むように指定された本。 バイオグラフィーワークはもちろん 言語造形の課題書籍にもなりそうな本です。
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