運命・幽情記 の商品レビュー
幸田露伴 「運命 幽情記」 覇権を争う建文帝と永楽帝、英雄の永楽帝、敗者の建文帝の運命はいかに!といった内容 漢文調は読みにくいが、簡単な文章はドラマチックな展開を感じさせる 注解や人物解説がないため、理解できない文章が多い。出版社は本を読ませる工夫をしてほしい。青空文...
幸田露伴 「運命 幽情記」 覇権を争う建文帝と永楽帝、英雄の永楽帝、敗者の建文帝の運命はいかに!といった内容 漢文調は読みにくいが、簡単な文章はドラマチックな展開を感じさせる 注解や人物解説がないため、理解できない文章が多い。出版社は本を読ませる工夫をしてほしい。青空文庫と同じでは買う意味がない ドラマチックな展開の漢文調 「数有るが如くにして〜数無きが如し」 「英雄 朱元璋も、命といひ、数といふものの前には〜一片の落葉秋風に舞うが如し」 「二者の間〜人相驚かんと欲し、剣光火影、世漸く将に乱れんとす」 運命については「努力論」の方が整理されていたと思う
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『運命』は明初の建文帝と永楽帝の争いを描いた歴史小説、運命の歯車が食いちがって、戦争になるようすが痛ましくも、面白い。また、南京陥落後のいわゆる建文伝説も虚実ないまぜで、味わい深い。結局、歴史は小説より奇なりなのかもしれない。とくに道衍・方孝孺の詩文から両者の性質を読みとるところなど、興味深く読んだ。 『幽情記』は宋元明清の詩話であり、文人と愛妻・愛姫の逸話を中心に紹介しており、銭謙益や袁宏道、傅山や「桃花扇」などを論じて、露伴の学問を知ることができる。露伴は中国近世が好きだなと思う。破鏡に再会を託した夫婦の話、紅葉の葉に詩を書いて文通をした宮女と詩人の話など、なかなかにロマンチックである。「玉主」には「赤縄暗に牽くを覚え」と「赤い糸」の話がでてくる。
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夏目先生とは違って簡単に敷居を跨がせてくれない露伴先生ですが、一旦許して頂くともう癖になります。何度も何度も読み返し、艶やかな世界に耽溺してしまいます。 『幽情記』の『師師』に描写される李師師の美しさは背が寒くなります。
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