家族シネマ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
柳美里「家族シネマ」、1997.1発行。芥川賞受賞作品。柳美里さんの家族5人の私小説だと思います。バラバラな家族の様子が描かれています。テーマは不明、意味も不明ですw。さすが、芥川賞。失礼しました。
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【家族シネマ】 折り合いをつけたかったんだ。もう、元には戻れない家族との。それが色々な事柄に投影されている。 誰が好き好んで、とっくに壊れている家族の映画に出演するんだ。 それはきっと、寂しさや、怒りや、失望や、諦めとの折り合いなんだ。 そして、縋っている。 【真夏】 ホラーだ...
【家族シネマ】 折り合いをつけたかったんだ。もう、元には戻れない家族との。それが色々な事柄に投影されている。 誰が好き好んで、とっくに壊れている家族の映画に出演するんだ。 それはきっと、寂しさや、怒りや、失望や、諦めとの折り合いなんだ。 そして、縋っている。 【真夏】 ホラーだ。怖すぎる。 執着しているのは、実は女の方だ。 観察している。自分も相手も。 内省的に観察してる視点が1番怖い。笑ってるし。 【潮合い】 ぶつかり合うところ。 なるほど、ぶつかってるけれども、お互い同じ波長だ。 周りにいるヤツらも、そんな所にいるから、巻き込まれて、のみこまれていくんだ。 総じて、拠り所が皆欲しいのかな。 歪んでいたとしても。
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前衛的な映像作品を見ているみたいな小説。 これは…小説って言うんだろうか?詩?芸術? 初対面の相手に仕事を依頼しに行ったと思ったら急にゴムボートで寝てたり、尻を写真に撮らせたり、脈絡がなさすぎて、私にはちょっと難しかった…。 著者の心象風景を描いているのかな。だとしたら、ち...
前衛的な映像作品を見ているみたいな小説。 これは…小説って言うんだろうか?詩?芸術? 初対面の相手に仕事を依頼しに行ったと思ったら急にゴムボートで寝てたり、尻を写真に撮らせたり、脈絡がなさすぎて、私にはちょっと難しかった…。 著者の心象風景を描いているのかな。だとしたら、ちょっと心配になる(大きなお世話)。
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失われた家を求め、映画出演を決めた家族を描いた「家族シネマ」、同棲中の部屋を飛び出した登校拒否の過去を持つ女を描いた「真夏」、転校生といじめを題材にした「潮合い」――心に傷を負った人間が強く生きようとする姿を描き、家族が価値あるものかを現代に問う名作。芥川賞に輝く表題作含むベスト...
失われた家を求め、映画出演を決めた家族を描いた「家族シネマ」、同棲中の部屋を飛び出した登校拒否の過去を持つ女を描いた「真夏」、転校生といじめを題材にした「潮合い」――心に傷を負った人間が強く生きようとする姿を描き、家族が価値あるものかを現代に問う名作。芥川賞に輝く表題作含むベストセラー。 第116回芥川賞受賞
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・近くの市民センター図書室で借りる。梁石日が「シネマ・シネマ・シネマ」の中で描いてたので気になってて読んでみた。 ・思わせぶり。何でなのか語られない小道具に溢れてて、倒錯してる。不幸な少女時代や親の不仲、老人との擬似セックスとかそんなの盛り沢山。その辺りを深読みする気はしないけど...
・近くの市民センター図書室で借りる。梁石日が「シネマ・シネマ・シネマ」の中で描いてたので気になってて読んでみた。 ・思わせぶり。何でなのか語られない小道具に溢れてて、倒錯してる。不幸な少女時代や親の不仲、老人との擬似セックスとかそんなの盛り沢山。その辺りを深読みする気はしないけど、なんでこういう事を物語世界にぶつけようとこの作者は思うんだろう?と考えると少し楽しくなった。うわなにこいつ、って思いながら読んだけど、どうやら嫌いじゃないみたい。
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家族だから、思い合っているように装う。実は他人事なのに…っちゅう構図を映画撮影に喩えたのは目から鱗。かといって、家族以外の他人と繋がったと思っても、思わぬ肩透かしを食らったり。人間て独りですねーという。
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父を捨てた母は姉と弟を連れ、妹は父の家に置き去りにされた。それから一家は離散し20年が過ぎる。売れない女優になっている妹の映画の企画で、一家は同じ映画に家族として出ることになる。というのが物語の発端。主人公の姉は柳美里自身を投影したものなようで、以前に知り合いをそのままモデルにし...
父を捨てた母は姉と弟を連れ、妹は父の家に置き去りにされた。それから一家は離散し20年が過ぎる。売れない女優になっている妹の映画の企画で、一家は同じ映画に家族として出ることになる。というのが物語の発端。主人公の姉は柳美里自身を投影したものなようで、以前に知り合いをそのままモデルにした小説で一悶着を起こしたことを思い出させる。作家としては自分の人生を煮詰めて調理して切り売りするのが仕事だと思うので、それは正しい姿なのだろう。この作品がどれほど現実をモデルにしているのかはわからないが、父母妹の設定は実際の柳美里の関係そのままが使われているようだ。文章は安定していて、主人公の視点が、回りの人間を抉るように描写していくので、興味深い。挿話として出てくる主人公の恋の話に、年寄りの芸術家で、女の尻を撮るのが好きな老人が出てくることが、この作品をただの家族物語に終わらせていない。家族は母と父との確執を中心に書かれるのだが、姉妹間などの関係が希薄なのが仲の良くない兄弟という印象付けで上手かった。優越感とコンプレックスとの人間関係の真ん中で、主人公の感じる感覚を文章にするのが上手いと思った。
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本作のテーマは「家族とは?」でいいのだろうか?もしそれが主題だとしたら、あまりにもストレートすぎて奥深さに欠けるような気がする。 この本のテーマは何だろう?もう一度読んで確認したいし、再読することは全く苦ではなくむしろワクワクする。そんな作品が好きな僕にとっては、若干物足りなさが...
本作のテーマは「家族とは?」でいいのだろうか?もしそれが主題だとしたら、あまりにもストレートすぎて奥深さに欠けるような気がする。 この本のテーマは何だろう?もう一度読んで確認したいし、再読することは全く苦ではなくむしろワクワクする。そんな作品が好きな僕にとっては、若干物足りなさがある一冊。
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1997年。◆第116回芥川賞受賞作−平成8年下半期− 柳美里「家族シネマ」 初出「群像」(平成8・12) ==== 石原慎太郎 柳美里氏の『家族シネマ』は全体の設定がいかにも演劇的で小説としての魅力を殺(そ)いでいる。私は以前彼女の脚本を読んでこの人は小説を書いた方がいいの...
1997年。◆第116回芥川賞受賞作−平成8年下半期− 柳美里「家族シネマ」 初出「群像」(平成8・12) ==== 石原慎太郎 柳美里氏の『家族シネマ』は全体の設定がいかにも演劇的で小説としての魅力を殺(そ)いでいる。私は以前彼女の脚本を読んでこの人は小説を書いた方がいいのではないかといったことがあるが、それは決してこうしたメタフィクションめいた構成を期待した訳ではない。 === 三浦哲郎 柳美里氏の「家族シネマ」は、またしても崩壊した家庭が素材だが、候補作中この作品に最もしたたかな文学的才能を感じた。読んでいるうちに舞台を観ているような錯覚に陥るほど、小説よりも戯曲に近い趣の作品だが、場面の転換、台詞の切れ味、小道具の使い方は、舌を巻くような鮮やかさである。
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