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日本人とユダヤ人 の商品レビュー

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2012/03/07

30年ぶりに読み返してみた 単刀直入な文章は読みやすくて解りやすい 日本人が日本人にユダヤ人がユダヤ人になったプロセスを大掴みできる 自分の行動の新たな裏付けを見せられたようで面白い これが文字でなくて言葉だったら別の反応をしたかも知れないけれど 本故に一歩引いたスタン...

30年ぶりに読み返してみた 単刀直入な文章は読みやすくて解りやすい 日本人が日本人にユダヤ人がユダヤ人になったプロセスを大掴みできる 自分の行動の新たな裏付けを見せられたようで面白い これが文字でなくて言葉だったら別の反応をしたかも知れないけれど 本故に一歩引いたスタンスで楽しむことができる それと同時に神に支配されたユダヤ・キリスト・イスラム教徒が 神とつながった意識を持つ日本人と根本的な違いがあると言うことを 新たに思い起こさせてくれる その一方で共通した部分のあることも知る 日本とユダヤは遠くて近い不思議な間柄なのだろうか 今では山本七平さんがユダヤ人ペンダサン氏に成り済まして書いた本だと解っているが それでも日本人が書いたと思えないほどに別の切り口で問いかけてくる それにしても260ページほどの文庫本にこれほどの新鮮な情報を盛り込みながら 端的に文化の違う部分と似ている部分の指摘と理由を紐解いてくれる 30年の落差を越えて今読んでもうなずいてしまう あのときより更に踏み込んで理解できさえする 芸術や意識に関しては考えを異にする所もあるけれども 歴史や人となりについての考察には共感する部分が多い 視点と固定概念の違いから来るものなのだろう 山本さんが「法外の法」「言外の言」と呼ぶ人の心と情を 優先する日本人故の人間性が影響しているのかもしれない なかなか理解しづらかった三つの連なった宗教と 仏教やタオや儒教を取り込みながら培ってきた 日本独特の民族意識と文化との違いを具体的に汲み取ることができる この本は時代を超えて読める

Posted byブクログ