このミステリーがすごい!傑作選 の商品レビュー
8年分の覆面座談会で言いたい放題のボロクソ三昧。匿名じゃなきゃ書けないことがたくさんあって鬱憤が溜まっているんだろうなと想像。新人に対してはかなり容赦がない。京極さん、森博嗣さんがなんだかんだ言われていなくて一安心。
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「このミステリーがすごい!」という言葉がしばしば目に付き、なんだろうと思っていた。どうも年一回発行されるミステリーの雑誌らしいとわかって来た。 先日、図書館でふとこの題名が目に飛び込んできたので読んでみた。 '89~'97年版「覆面座談会」完全収録&最恐の...
「このミステリーがすごい!」という言葉がしばしば目に付き、なんだろうと思っていた。どうも年一回発行されるミステリーの雑誌らしいとわかって来た。 先日、図書館でふとこの題名が目に飛び込んできたので読んでみた。 '89~'97年版「覆面座談会」完全収録&最恐のブックガイドと銘打った本。 説明に『読書量・選球眼・批評精神に富む、編集部の独断選定アンケート回答者に一年間のミステリー&エンターテインメントのベスト6を選んでもらい、集計によりベスト20を決定する書』とある。 その中に「覆面座談会」がこの本に9年分、一挙に再収録されてあるという。 つい先日読んだ「文学賞メッタ斬り」と似たつくりで(いやこの「ミス…」のほうが先だ)、批評と本の情報の坩堝(るつぼ)。 9年間のミステリー&エンターテインメントの作家、作品が網羅されていて圧倒された。'98年までなので情報は少し古いが。 しかもこの本が出たのが約10年前、取り上げている作家さんのその後の活躍、大成、人気度がどうなったか?その作品は読み継がれているか?なかなか面白いところだ。もちろん鵜呑みにはしていないが、参考になった。 苦笑しながら感心してしまったところがある。 例えば、時代が丁度高村薫さんのデビューと重なったので、高村薫さんの作品にかなりページをさいていて、それがちょっとマイナーな面白い批判だった。「女王様」と名づけて、ちょっと高飛車という感じかなーと。「ミステリーを書いているのではない」からミステリーのジャンルに入れないで欲しいといっおっしゃったとか、文章、文体も読みにくいとか。もういろいろ(笑)とくに「覆面」さんのひとりが強烈というか面白かった。 私は高村薫さんの作品が大好きなのだが、(殆ど読んでいる)最近TVでお姿を拝見した事がある。たしかNHKで「神戸の震災10年」という番組だったが、すごく神経質そうで、にこりともなさらなかった。番組みの内容から笑うものではないにしろ、観ているのが居たたまれないほど。途中で消してしまった。 作品は好きだけれど、なるべくお会いしない方がいい、とまで思ってしまったところだった。文章は「覆面座談会」さんが言うように読みにくいとは思わない。むしろ、その味がいいと思っている。だからキャラクターとして「ふきげん」も許されるのかもしれないなんて。むふふふ。 タウン 『覆面座談会が選ぶ「過去10年のベスト20」』('89~'97年) 未読を読むかもしれないから、書き留めておく。読んでいるのはやはり少ない。ミステリーが好きといっても最近のものはそれほどじゃなかったということらしい。 1.「蒼穹の昴」(上下)浅田次郎(講談社) 2.「マークスの山」高村薫(早川書房) 3.「双頭の悪魔」有栖川有栖(東京創元社) 4.「私が殺した少女」原リョウ(漢字が機種依存文字だった)(ハヤカワ文庫) 5.「魍魎の匣」京極夏彦(講談社ノベルス) 6.「氷の森」大沢在昌(講談社文庫) 7.「空飛ぶ馬」北村薫(創元推理文庫) 8.「火車」宮部みゆき(双葉社) 9.「ホワイトアウト」真保祐一(新潮社) 10.「ベルリン飛行指令」佐々木譲(新潮文庫) 11.~20 「霧越邸殺人事件」綾辻行人(新潮文庫) 「異人たちの館」折原一(新潮文庫) 「秋好事件」島田荘司(講談社) 「行きずりの街」志水辰夫(新潮文庫) 「家族狩り」天童荒太(新潮社) 「一の悲劇」法月倫太郎(ノン・ポシェット) 「不夜城」馳星周(角川書店) 「ブルース」花村萬月(カドカワ・ノベルズ) 「生ける屍の死」山口雅也(創元社推理文庫) 「明治十手架」(上下)山田風太郎(角川文庫) 「マークスの山」「空飛ぶ馬」「火車」は読んだ。「蒼穹の昴」は積んである。気になる作家も何人かある。
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5ツ星を与えられなかったのは、「傑作選」と銘打ちながらも、内容は「覆面座談会集」に過ぎなかったことだ。 で、それなのに4ツ星を与えたのは、やっぱりそれでも面白かったから。 作者・出版社が丹精に仕上げた作品群を捏ね繰り回して、時には一笑に附すような傲慢さ、不遜さが顕著だが、それはそ...
5ツ星を与えられなかったのは、「傑作選」と銘打ちながらも、内容は「覆面座談会集」に過ぎなかったことだ。 で、それなのに4ツ星を与えたのは、やっぱりそれでも面白かったから。 作者・出版社が丹精に仕上げた作品群を捏ね繰り回して、時には一笑に附すような傲慢さ、不遜さが顕著だが、それはそれ、人間の心の深い部分で誰しもが持っている負の部分をストレートに表現しているという点で、評価できるし、羨望すら感じる。
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2008年6月3日読了。「このミステリーがすごい!」誌に掲載された(今でも、なのかな?)覆面座談会を収録した本。産経新聞のコラムとの論争・島田荘司へのいちゃもんなどが熱い!匿名にて、会話調でミステリ作品をくさすこのようなスタイルが1990年代後半には新鮮で、かつ作家などには「フェ...
2008年6月3日読了。「このミステリーがすごい!」誌に掲載された(今でも、なのかな?)覆面座談会を収録した本。産経新聞のコラムとの論争・島田荘司へのいちゃもんなどが熱い!匿名にて、会話調でミステリ作品をくさすこのようなスタイルが1990年代後半には新鮮で、かつ作家などには「フェアではない」と嫌われてもいたようだが。今や誰でもブログで素人書評をアップできる時代(私も含めて、だが)。時代は変わった。しかし、読みたいミステリは未だ多し!
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