青ひげ の商品レビュー
よくこれ書いちゃうよなぁ。 まあ、ヴォネガットの中では一番入りやすい作品かな。 わりとすらすら進む。
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「こうした偶然の一致をいちいち真剣にとっていたら、 だれでも気が狂ってしまう。この宇宙には、 自分にかいもく理解のできないことがわんさと進行中らしい、 と疑いを抱くようになる」(本文より) 1987年のヴォネガットの長編です。 戦争体験をベースに、しっちゃかめっちゃかになった...
「こうした偶然の一致をいちいち真剣にとっていたら、 だれでも気が狂ってしまう。この宇宙には、 自分にかいもく理解のできないことがわんさと進行中らしい、 と疑いを抱くようになる」(本文より) 1987年のヴォネガットの長編です。 戦争体験をベースに、しっちゃかめっちゃかになった 人生の回顧録である点においては、いつものヴォネガット。 「青ひげ」にはラストにオチが用意されているので、 いつもよりもちょっとわかりやすいヴォネガットかなと思います。 わたしがヴォネガットを好きな理由は、 奇跡的な出来事が、それが幸運であれ、その真逆であれ いつ起きても、「ひとつの事実」として受け止める姿勢が 貫かれているからです。 登場人物がどんなに自分勝手でも自己中心的でも、 どんなにはた迷惑な存在でも、「存在」として尊重しているところかな。
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久しぶりに即2回目を読んだ本。 面白かった。 とくになにが、というわけでもないのだけど面白かったと思う。 近代美術について知りたくなりました。 2008,april
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ラボー・カラベキアンというアルメニア移民の老人が、自伝を書きながら、執筆中の現在についても日記のような感じで語っていくのが、エピソードごとに過去と現在が入り組んで語られます。なんでタイトルが『青ひげ』なのかは、じゃがいも納屋に隠して決して誰にも見せないでいたモノ(最後にはなんだっ...
ラボー・カラベキアンというアルメニア移民の老人が、自伝を書きながら、執筆中の現在についても日記のような感じで語っていくのが、エピソードごとに過去と現在が入り組んで語られます。なんでタイトルが『青ひげ』なのかは、じゃがいも納屋に隠して決して誰にも見せないでいたモノ(最後にはなんだったかわかります)があるので、そのことをペローの書いた原典『青ひげ』に重ねたのでしょうか??この主人公は別にイイモノでもワルモノでもなかったです。
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やっと読了。思っていたより大作だった。 「猫のゆりかご」を読んだあと、heidiに「青ひげ」を薦められた。「猫のゆりかご」でヴォネガットに一定のイメージができちゃったので、「泣けるよー」と言われてもピンとこなかった。 でも確かに”泣ける”話。泣きゃしなかったけどね。 架空の画...
やっと読了。思っていたより大作だった。 「猫のゆりかご」を読んだあと、heidiに「青ひげ」を薦められた。「猫のゆりかご」でヴォネガットに一定のイメージができちゃったので、「泣けるよー」と言われてもピンとこなかった。 でも確かに”泣ける”話。泣きゃしなかったけどね。 架空の画家ラボー・カラベキアンの一代記。この名前、あんまり大仰なもんだから、半分くらい読むまで主人公の名前だとうまく認識できなかった。 おとぎ話だと思うんだけど、何とも変わってる。皮肉と怒り?悲哀?。しつこいくらい、自分と世界をシニカルにこき下ろす。熱さを感じるくらい真剣な皮肉。 作中に出てくる女性、サーシ・バーマンにはほんと我慢ならなかったけど、この人物をはじめ極端にデフォルメされた人物がうまい。「猫のゆりかご」と同じ人が書いてんのかあ、と思ったけど、ムダがないなあと感じるあたりは確かに同じ。時期が後だから当然ながら、よりこなれた感じもするし。 面白く、ずっとわかりやすい話だった。「猫のゆりかご」がダメな人にも薦められるかも。 でも最後はちょっと……クサイかなあ。それがいいんだけど。
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