アイドルだけど純愛中！ の商品レビュー

由比まき(著者)

2011/11/13

　アイドルグループDA-Nの一員としてデビューを控えた達己は、実はクラスメイトで親友の俊彦に片思いをしていた。元からいた2人のところに後から入ったため、決して良好とは言えないメンバーである英二と隼人との関係だが、応援してくれている俊彦に励まされて達己は毎日、頑張っていた。
　そんなある日、決して俊彦にこの想いは決して言わないでおこうと思っていた達己に、俊彦から「好きだ」と告白され、キスをして、それ以外のこともしてしまう。結局途中で、達己の仕事の時間がやってきてしまい、中途半端なまま達己は仕事に飛び出して行くが、両思いだとわかって大喜び。ところが、実は肝心なことを伝え忘れていて……。
　向かった仕事では、英二のスキャンダル騒ぎが起こっていて、結局その夜俊彦にするはずだった電話を、達己はし損ねてしまう。
　そして、そのまま俊彦は達己の気持ちを誤解したままになってしまう。
　一方、達己はそんな俊彦の態度に、次第に俊彦の気持ちがわからなくなっていく……。
　その上、順調なDA-Nとしての活動を妬んだ先輩アイドルのイジメ、作曲家にHを強要されたり……と、いろんなことが達己の身の上に降りかかる。
　せめて、作曲家にされてしまう前に……と、思い達己は意を決して、俊彦の元を訪ねていくが……

　という、すっごくベタベタな展開。
　少女マンガでも、BLでも、他の物でも、芸能界ものの定番「代わりに身体を差し出せ」というやつですね。
　果たして、こんなことが実際に芸能界で行われてるかどうかは、すっごく疑問ですが、こんな感じのノリなので、あまり対象年齢は高くない話です。
　結局、作曲家の先生は、お目こぼしをしてやられることもなく、本当にハッピーエンド。だったら、そんなこと最初から言うな……という気持ちもしなくもないですが……。

　そして、一度は結ばれた達己と俊彦は、達己が芸能界に専念することを決めて、高校を辞めることを決めた時に、一度は別れるんですが、最後は、俊彦がDA-Nの付き人となって戻ってくる……というすっごーい、あまあまのベタベタな展開です。これ以上、ないくらい。
　そういうのが好きな人には、オススメですが、個人的には、もうちょっと主人公の葛藤とか、内容が重い話が好きですね。