抹香町 路傍 の商品レビュー
つげ義春も大好きな「…
つげ義春も大好きな「ふっつ・とみうら」がとっても面白いです。年の若い嫁と、ぶらぶらしなびた町を旅行。大した事件も起こらないけど、わびしさの中にユーモアがあって、何だか素敵な旅な気がする。
文庫OFF
著者の孤独感と迫り来…
著者の孤独感と迫り来る老いへの恐怖に段々と気分が鬱屈してくるが、不思議と止められなくなる。私小説の極みのような作品集か?
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基本的に繰り返しという意味ではハルキさんと同であるはずなのに川長さんは何故にこれほど読ませるのか。私小説ならではの味わいと限界を示してくれた。
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川崎長太郎を初めて読みました。 徳田秋声、宇野浩二の流れを汲むとは知らなんだけど、この流れは西村賢太にも続いていると思う。 年老いた頃の作品も多くあり、過去の回想も交えながらも、静かに時間を眺める視線は読んでいて安心感をすらおぼえる。 芥川や太宰とは違い、長々と生き抜く。それ...
川崎長太郎を初めて読みました。 徳田秋声、宇野浩二の流れを汲むとは知らなんだけど、この流れは西村賢太にも続いていると思う。 年老いた頃の作品も多くあり、過去の回想も交えながらも、静かに時間を眺める視線は読んでいて安心感をすらおぼえる。 芥川や太宰とは違い、長々と生き抜く。それは見方によっては退屈であるかもしれないが、それはそれで凄みのある生き様が独特の語りで聞かせる。 印象に残るのは、「ふっつ・とみうら」「日没前」「墓まいり」
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しっかりしろよーと言いたくなる作者の、私小説。 でもついつい読んでしまうのはなんでだろう。好きなんだろうなぁ、この時間の流れが。 劇的な何かが起こるわけでもない。 きっとみんな、こうした人生を送っている。
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私小説。私小説の運命だが、全体的に同じ話ばかりで飽きてくる。しかし、『ふっつ・とみうら』『軍用人足』が情緒があって良い。あとは基本的に筆者の生い立ちが重なり飽きる。だが、最後の山田順子の話は一番面白い。
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名作。実は澁澤龍彦が好きな作家。全然タイプ違うけど、わかる。小田原に行った時、抹香町の辺りを歩いたが赤線の名残は殆どなかった。作家が毎日通っていただるま屋は立派な店だった。ちらし寿司、美味かった。
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講談社文芸文庫ダメ人間私小説といえば葛西善蔵、嘉村礒多、そしてこの川崎長太郎である。 奇しくも「か」から名前が始まるこの三人の作品が書店で近くに並んでいることを考えると恐ろしい偶然を感じる。 誰だって己の芸術に可能性があるのならば貧しい魚屋家業など継ぎたくはないのだ。 いや...
講談社文芸文庫ダメ人間私小説といえば葛西善蔵、嘉村礒多、そしてこの川崎長太郎である。 奇しくも「か」から名前が始まるこの三人の作品が書店で近くに並んでいることを考えると恐ろしい偶然を感じる。 誰だって己の芸術に可能性があるのならば貧しい魚屋家業など継ぎたくはないのだ。 いや可能性はなくとも魚屋よりも芸術を選ぶ。 それがダメ人間なのだ。 生き様こそ芸術の根幹をなす(こともある)。 この作品集では他二人の「か」ダメ作家と比べて老境に入ってからのダメぶりに特徴があるように思う。 いい歳こいて実家の物置小屋に住んで腹が減っては母屋の台所で盗み食いをし、金に余裕があれば赤線に行く。 俺もこういう歳の重ね方をしたいものだ。 若き日の瑞々しいダメさはトリを飾る「徳田秋声の周囲」くらいで少し文体も違うので、この作品集の中では少し毛色の違う作品といえるか。 やはり昔のダメ私小説は面白い。 昨夏に復刊した文庫もあるのでその辺も攻めてみたい作家。 ただ講談社文芸文庫三大「か」ダメ私小説家ではやはり葛西善蔵が頭一つ抜けているように思うし若い鮮烈さが足りないような気がするので、星は4つ。
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