私的所有論 の商品レビュー
通常の私的所有は財について指すが、身体の私的所有をどう位置づけるのか。私的所有の原則に従えば、臓器提供や代理出産が認められるはずだが、私たちにはそれを肯定しない感覚がある。自己決定を肯定しながらも、「〈他者〉を制御しないこと」「〈他者〉が在ることの受容」を私的所有の原則の代わりに...
通常の私的所有は財について指すが、身体の私的所有をどう位置づけるのか。私的所有の原則に従えば、臓器提供や代理出産が認められるはずだが、私たちにはそれを肯定しない感覚がある。自己決定を肯定しながらも、「〈他者〉を制御しないこと」「〈他者〉が在ることの受容」を私的所有の原則の代わりに提示し、生殖技術や優生学を論じる。
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題名に惹かれて読み出した 部分で読むと共感できるけれど 少し読むうちに説明がつべこべと回りくどく 本人も急所を押さえての文章ではないのではと感じ始めた 優しすぎるのか?究極を求めるあまりなのか? 哲学的に本質を語ろうとしているのかと思うと 状況論に振り回されてみたり ...
題名に惹かれて読み出した 部分で読むと共感できるけれど 少し読むうちに説明がつべこべと回りくどく 本人も急所を押さえての文章ではないのではと感じ始めた 優しすぎるのか?究極を求めるあまりなのか? 哲学的に本質を語ろうとしているのかと思うと 状況論に振り回されてみたり 広い視野で臨もうとしているのだろうけれど 視点が定まらないようにしか見えない 自分の肉体的な所有と心の所有 他者の肉体的な所有と精神的な所有 更に自然界に対する物的所有に生命への暴力的侵略 そして時間の拘束と空間の拘束つまり過去と未来 そもそも著者の有限無限つまりは自然界ひいては時空間に対する 基本的なスタンスを読み切れないために 著者の語る言葉の判断に苦しむ場面が多く 私的の意味と所有の意味のとらえどころもつかめず 自と他の距離感に付いても曖昧のまま語られているようにしか 私の稚拙な目では読めませんでした
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どちらかというと生命倫理や障害者福祉の世界で有名な人だと思いますが、この本の内容はもっと政治・思想などにも応用できる幅広い内容です。 自分の体は自分のものか?自分の作ったものは自分のものか?という一見自明な問いかけから始まり、功利主義・自由主義・マルキシズム・能力主義などの政...
どちらかというと生命倫理や障害者福祉の世界で有名な人だと思いますが、この本の内容はもっと政治・思想などにも応用できる幅広い内容です。 自分の体は自分のものか?自分の作ったものは自分のものか?という一見自明な問いかけから始まり、功利主義・自由主義・マルキシズム・能力主義などの政治・思想的立場を「私的所有」という点から切っていきます。 その上で、そこから発展して自己決定・フェミニズム・生命倫理などを論じていきます。 上述の分野では立岩真也氏はすでに有名でしょうが政治・思想的問題に関心のある人にとっても非常に面白い本だと思いますので、是非。 しかしまあ、読みにくいですな。取り上げている観点はあくまで「私的所有」なのですが、これ自体非常に広く応用できるテーマではあります。 そこで応用出来るテーマ(代理母とか臓器移植とか)について片っ端から論じていくうえ、しかもそれぞれのテーマでの代表的考え方をいくつも取り上げて論ずるので、だんだん内容が入り組んでわけが分からなくなってくる...
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