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銀幕の果てに の商品レビュー

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2010/08/22

 何とも派手な展開の物語。原爆があり、満州があり、原子力発電があり、宗教があり、宇宙の旅がある。だけど、それら全部の道具立てを束ねていくのが、女優のわがままだったりするあたりがやっぱりつかこうへいで、ある意味本当にものすごいのである。  ではおもしろかったかというと微妙である。映...

 何とも派手な展開の物語。原爆があり、満州があり、原子力発電があり、宗教があり、宇宙の旅がある。だけど、それら全部の道具立てを束ねていくのが、女優のわがままだったりするあたりがやっぱりつかこうへいで、ある意味本当にものすごいのである。  ではおもしろかったかというと微妙である。映画を含めた女優のかっこよさや、それが男達を虜にしながら物語を薦めていく感じは「銀ちゃんが逝く」の方がずっと上だと思うし、様々なところで、先行する他の小説を、懐かしく思い出してしまうにとどまってしまい、ただ話だけが派手になっていっているような気がした。  「わずか30台のライトで影ひとつでないように照らしている」みないな、スタッフに対する言葉には、なんだかとっても嬉しくなってしまって、やっぱり映画や舞台の現場に関わってくる部分に、作者の暖かい力強さを感じるのだ。

Posted byブクログ