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風呂で読む 啄木 の商品レビュー

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2021/05/30

この風呂で読むシリーズ、大変画期的な本で、私のように常に風呂で何か読まないと落ち着かない人間にとって本当にありがたい。そしてこれを読んでいて気付いたのだけれど、啄木、なかなか良いのではないか? 自分の日常の中に潜むふとした瞬間を切り取る、という以上の、近代都市生活への眼差しに思わ...

この風呂で読むシリーズ、大変画期的な本で、私のように常に風呂で何か読まないと落ち着かない人間にとって本当にありがたい。そしてこれを読んでいて気付いたのだけれど、啄木、なかなか良いのではないか? 自分の日常の中に潜むふとした瞬間を切り取る、という以上の、近代都市生活への眼差しに思わぬ普遍性が宿っているような気がする。そもそも、この時代の東京なんて、私の知っている東京と全然違うはずなのに「なんかわかる、感じがする」というのは大変なことではないか。あと「透明になる薬はないか」みたいな、自分の身体への感覚も面白い。繊細系文学人が稀に見せる普遍的なメンヘラ性とも言うべきか。私はこういう言葉が一周まわって意外と大切なのではないかと思ってきている。誰がなんと言おうとも。

Posted byブクログ