1,800円以上の注文で送料無料

永遠の都(6) の商品レビュー

5

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

「四方八方から飛来し…

「四方八方から飛来しては去って行く、銀の怪鳥がいまわしい毒虫のような赤い細卵を撒き散らすと、その下では活気が沸きおこった。さっき左右に延びていた炎は今や上下にも延び、踊り狂っていた」 東京大空襲の夜、無数の焼夷弾により大都は阿鼻叫喚の地獄絵図に陥る。重なる屍体が日常の風景となり、...

「四方八方から飛来しては去って行く、銀の怪鳥がいまわしい毒虫のような赤い細卵を撒き散らすと、その下では活気が沸きおこった。さっき左右に延びていた炎は今や上下にも延び、踊り狂っていた」 東京大空襲の夜、無数の焼夷弾により大都は阿鼻叫喚の地獄絵図に陥る。重なる屍体が日常の風景となり、感情は働かず、不思議な静謐が訪れる。来るべき本土決戦により全ては息絶えてしまい、民族の滅亡も予感される。国体に従わない者は、予防拘禁所に収容され、思想教育を強いられ、さらには餓死の淵をさまよう。究極の状態の中、様々な葛藤が描かれ、

文庫OFF