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ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど の商品レビュー

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2009/10/14

現代イギリス文学界の中心の一人、アラスター・グレイの短編集。 読み始めた時は「意外とフツー」と感触は今一つだったけど、読み終わってみるとずいぶん面白かった。 とはいえ、「ここが良かった!」と特に指摘しろと言われても困る類の本。 全体に流れるアイロニカルな視線、見え隠れするユーモ...

現代イギリス文学界の中心の一人、アラスター・グレイの短編集。 読み始めた時は「意外とフツー」と感触は今一つだったけど、読み終わってみるとずいぶん面白かった。 とはいえ、「ここが良かった!」と特に指摘しろと言われても困る類の本。 全体に流れるアイロニカルな視線、見え隠れするユーモア、人間の些細な何ということのない心の流れを的確にとらえ表現する筆力、そういったものに気づけば惹きこまれていった感じ。 著者はもしかしたら気弱で人見知りをするような人なのかもしれない。そういった「弱者」の視線が実に上手い。 『ラナーク』も読みたくなってきた。

Posted byブクログ