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ジンメル の商品レビュー

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2014/09/24

 ジンメルとは、断片的な思索を積み重ね、いつでも新しい切り口から哲学の扉を拓こうとしてきた人らしい。  思想を体系づけることをせず、一つ一つの事物の、瞬間に宿る哲学を律儀に掬い上げようとするのは、好きかもしれない。 「境界」を取り上げ「断絶」ではなく「越境」の動的な働きを見出す...

 ジンメルとは、断片的な思索を積み重ね、いつでも新しい切り口から哲学の扉を拓こうとしてきた人らしい。  思想を体系づけることをせず、一つ一つの事物の、瞬間に宿る哲学を律儀に掬い上げようとするのは、好きかもしれない。 「境界」を取り上げ「断絶」ではなく「越境」の動的な働きを見出すところも面白い。  内と外の境界、あるいは構造体のなかの配列位置を自覚するところから始まり、超越へ至るダイナミズム。  何分にも未来志向的でありすぎるとはいえ、その考え方が人を惹きつけるのか。  饒舌すぎて結果的に軽んじられているところは何だか切ない。

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2013/10/07

ジンメルの思想について、その内容よりもそのスタイルに重点を置いて紹介している入門書。 著者はジンメルを、ヘーゲルの死とハイデガーの登場のはざまの時代に生まれた、独創的な思想家と規定している。もしヘーゲルの時代であれば、彼はカント学徒として、体系哲学の中で志向することを運命づけら...

ジンメルの思想について、その内容よりもそのスタイルに重点を置いて紹介している入門書。 著者はジンメルを、ヘーゲルの死とハイデガーの登場のはざまの時代に生まれた、独創的な思想家と規定している。もしヘーゲルの時代であれば、彼はカント学徒として、体系哲学の中で志向することを運命づけられていただろうし、ハイデガーとナチズムの時代にまで生き延びていたら、彼の思想はあのようなゆるやかなエッセイとして表現されるのではなく、徹底した絶望と、そこから何ほどかの希望を掴み出そうとする極限的な思索を紡ぐことになっただろうと著者は言う。 だがジンメルは、そのどちらの時代にも属することはなかった。彼は、ベルリンという都市を歩きながら、貨幣について、女性について、橋と扉について、エッセイ的なスタイルで思索を紡いでいった。そうした彼の思索のスタイルは、「哲学的文化」と名づけられる。彼は、生のさまざまな相を自在にたゆたいながら、そこで哲学的な実演を試みていった。それは、体系哲学や方法論的な哲学のあり方に対する異議申し立てだったということができる。 とくに著者は、こうしたジンメルの思索のうちに、フェミニズム哲学が学ぶべきものを見ようとしている。 ジンメルの思想の概説書としては少しもの足りないような気がしますが、彼の思想の魅力を伝える役割は十分に果たしていると思う。

Posted byブクログ

2010/02/19

研究室。あまりよく読んでいない。 ドイツの哲学者・社会学者のジンメルの思想から。「生」の哲学の一節か

Posted byブクログ