ザ・フィフティーズ(上) の商品レビュー
アメリカの1950年代を 数多くのエピソード、数多くの登場人物で描き出す。 朝鮮戦争や大統領選挙、オッペンハイマーに関する 著名な出来事の他にも、自体背景となる 民衆の生活ぶりに関する社会的な動きに関しても、 その仕掛け役を主役に深く掘り下げており、 かなり読み応えがある。 個...
アメリカの1950年代を 数多くのエピソード、数多くの登場人物で描き出す。 朝鮮戦争や大統領選挙、オッペンハイマーに関する 著名な出来事の他にも、自体背景となる 民衆の生活ぶりに関する社会的な動きに関しても、 その仕掛け役を主役に深く掘り下げており、 かなり読み応えがある。 個人的には話で聞くことは多くとも深くは知らなかった マッカーシーに関して人物描写を含め詳細に記載されており、 面白かった。下巻にも期待。
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第二次世界大戦後、戦場となったヨーロッパは疲れ切っていた。 そのヨーロッパに代わり、世界の盟主となったのがアメリカだ。 私が敬愛してやまないハルバースタムが、栄光と繁栄の50年代を 描く大作である。 アメリカの豊かさを象徴する50年代は、高根の花だった自動車に 大衆車が登場し...
第二次世界大戦後、戦場となったヨーロッパは疲れ切っていた。 そのヨーロッパに代わり、世界の盟主となったのがアメリカだ。 私が敬愛してやまないハルバースタムが、栄光と繁栄の50年代を 描く大作である。 アメリカの豊かさを象徴する50年代は、高根の花だった自動車に 大衆車が登場し、毎年、1ランクずつ上の自動車に買い換えることが ステータスになる。 道路網の発達も自動車産業に活況を与え、モータリゼーションの発達 は幹線道路沿いに多くのモーテルを誕生させる。 個人的に興味深かったのは、このモーテル群に不満を抱いて家族連れ が安心して泊まれる場所を…を思い立ってホリディインを起業した男 の話だ。 思い立って起業できるだけの財力があるのも凄いが、「ないなら作って しまえっ!」という発想が好きだ。やはり「必要は発明の母」なのだな。 マクドナルドのフランチャイズ化、郊外型住宅の大量生産とそれに伴う 大フロアを備えたディスカウント・ストアの誕生。ラジオに変わってテレビ が家庭に普及したのも50年代だ。 そんな繁栄と表裏一体となったように、科学者たちは原子力爆弾の成功 から水爆実験への実現へと突き進み、マッカーシズムが吹き荒れる。 栄光と陰を余すところなく描き出すハルバースタム。やっぱり手強い。汗
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