アインハンダー公式ガイドブック の商品レビュー
97年にスクウェアから発売された初代PS用のシューティングゲームの攻略本。2242年、地球上の諸都市が連合することによって誕生した"ゾードム帝国"、ならびに帝国からの経済封鎖の為に窒素供給が困難となった月面都市"セレーネ"との間に勃発した...
97年にスクウェアから発売された初代PS用のシューティングゲームの攻略本。2242年、地球上の諸都市が連合することによって誕生した"ゾードム帝国"、ならびに帝国からの経済封鎖の為に窒素供給が困難となった月面都市"セレーネ"との間に勃発した「第二次月戦争」がテーマになっている。 当時の最先端ハードであったPSの性能に呼応したゲーム内での諸演出は極めて効果的であり、緩急のついたスクロールスピード、画面奥/手前で炸裂するカノン砲、攻撃を受け爆発し退場→画面奥を爆走して何事も無かったかの様に再登場を計4回も繰り返す、事務所に所属していないハイテンション芸人を機械化したかの様な狂気を見せ付ける2面の中ボス「ガルネーレ」等、戦争の大きな特徴の一つであるカタストロフを娯楽として翻訳する事に完全に成功している。 この攻略本には「アインハンダー」の各敵キャラについて詳細な説明が成されているため、「アインハンダー」により深く没入する為の副読本としても非常に楽しめるものとなっている。曰く、2面に出てくる大型砲台「ホルニッセ」は「絶大な破壊力を持っているのだが、命中率が低いため実用よりも、敵に与える心理効果を目的として使用されている」。前記した2面の中ボス「ガルネーレ」を格納したコンテナ車輌「プッペ」は「幾重ものチョバム・アーマー(複合装甲)に覆われているため、外部からの物理的攻撃によって破壊することは不可能だ」、等。私自身がアクション、シューティングゲームの"2面"に非常に興味が有るため2面だけの紹介になったが(1面で大まかな世界観を提示した後で、その次の面をどう展開させるのかが昔から気になって仕方がない。マリオ3の「砂漠の国」、グラディウス3の「泡の面」、等)、もちろん全ステージに渡ってその魅力は文章として余す所無く捉えられている。 また、信じられない事に、アインハンダーの各機体、各ステージのボス、中ボスの紹介イラストはCGでなく超絶的な技巧を凝らした細密画であり、その十数点のイラストを見る為だけにでも絶対に読んだ方が良いと断言出来る。20世紀の最後を、眩い光芒と共に駆け抜けたスタイリッシュな彗星がここにある。
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