夢に殉ず(上) の商品レビュー
下巻まで読了。 タイトルから連想されるのは、見果てぬ夢(世界征服とか)を追いかけて前のめりで死んでいった主人公ですが、この本の主人公47歳無職(男)は違います。 彼は人生は全てを望んでも全てを手に入れることができないと早くから悟り、それならばと「自由」と「女」を選びます...
下巻まで読了。 タイトルから連想されるのは、見果てぬ夢(世界征服とか)を追いかけて前のめりで死んでいった主人公ですが、この本の主人公47歳無職(男)は違います。 彼は人生は全てを望んでも全てを手に入れることができないと早くから悟り、それならばと「自由」と「女」を選びます。そうしてそのためだけに自分の思うように生きていきます。人の評価を気にせず、自分の生き方のために自分に起こったことを全て受け止めて。 そういう話なのはわかるけど、この主人公がそんな生き方ができるのも貧乏でも生きていけるだけのものがあるからなので、子供がたくさんいるとか収入が全くないとか、もっと切羽詰まってもこの生き方ができるのかどうか気になる。 ラストは上手いことやったなという感じ。 奥さんと愛人二人をちゃんとつなげて、お金の心配もない状態なんだしね。 なんていうか、全体的にのんきな印象を受けてしまうのは、生活の心配というものが深刻にのしかかってこないからだろうな。
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