突囲表演 の商品レビュー

残雪(著者),近藤直子(訳者)

2012/09/10

同じ作者の「痕」などに比べると、まともなストーリーがあるのだが、あまりにも文章過多で読み疲れしてしまった。

2011/12/18

物語すら始まることのない１００ページと、ＸやらＱやら曖昧な固有名詞――複雑の中に見える簡略かされた世界。現実に近い匿名性。それこそが、小説であり、シンクロしている現実なのだろう。いや、記憶なんてそういうもの。精神なんてそういうもの。独特の文体だって快いものとなるのは、読み続ける心の持ち方によって整えられるのだった。ドラマ――ドラマ。

2009/10/04

思ったよりヘンテコな話ではなかったな、というのが何よりもの感想。
結局は共同体の閉鎖性をテーマにした、よくある話のような印象をもった。

登場人物はみな饒舌で、無駄に自信満々。誰もが自分の主張に異様な自信を持って押しつけてくる。この話で取り上げられている「事件」も、もしかしたら共同体に混入した「異物」に過剰反応した人間が、饒舌に喋繰りまくるうちに作り上げた幻想にすぎなかったのでは、という気になってくる。

あと一歩乗り切れなかったなぁ。