家族の絆 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
家族を題材とした短編集である。もちろん家族を否定するようなものはなく、それぞれ心のよりどころとして家族を捉えている。 ①力 宮本輝 少年時代(子供時代)を思い出すことによって、今の疲れた自分をいやし明日への糧とする。当初、公園でそう声をかけられた老人の言うことに反発を覚えていた主人公は、知らず知らず少年時代を振り返る。そして父母の温かい情を思い出すことになる。 ②意気地なし 藤沢周平 若くして妻を亡くした男に子供を通して母性愛と異性への愛を実らせていく話 ③恥の譜 三浦哲郎 家族にまつわる死を恥と思い、父の死にゆく様を見ることで初めて根元的な死を見ることになる主人公の話 ④春が来た 向田邦子 暗い家族に主人公に初めて彼ができ、毎週家でのごちそうを通して家族が明るくなっていく家庭を追う。しかし結婚の話になると彼は身を引き、そのとたん主人公の母が亡くなってしまう。身の回りを気遣うようになり明るくなったままで本当のことを知らずに逝ってしまう。でも家族に暖かみをもたらしてくれた彼に笑顔を向ける。 ⑤白雲悠々 檀一雄 私小説風に家族を描き、子供とこれからの生活と複雑な心境の中に家族への愛を描いている。 ⑥胸 三木卓 ⑦百 色川武大 ⑧汚点 井上ひさし ⑨海の幸 高井有一 ⑩伝法水滸伝 山口瞳 自分の血筋をたどりながら、自らの軽率さを家系に求める話 ⑪月の光 井上靖 ⑫誘拐横丁 筒井康隆 ⑬きんもくせい 椎名誠 「春が来た」「汚点」「月の光」はとてもよかった。久しぶりにじんときた。家族というのは、それぞれの精神の根源なのだ。
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月の光 春が来た の二編が良かった まぁ人生いろいろと言うことで・・・ 他人の家族は不幸であればあるほど面白いと云うことか?
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