仏教の思想(4) の商品レビュー
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前回の記事で紹介した『仏教の思想2 存在の分析〈アビダルマ〉』では上座部仏教(正確には説一切有部)の仏教哲学の頂点であるアビダルマについて解説されましたが、本作『仏教の思想4 認識と超越〈唯識〉』は大乗仏教思想の最高峰とされる唯識思想についてのおすすめの参考書です。 本書ではまず唯識とはそもそも何なのか、どのような流れから生まれてきたのかということを歴史的な側面から見ていきます。いきなり難解な思想の話から始まっても私たち読者からすると厳しすぎます。というわけで本書は入門書ということで、まずは唯識の難解な哲学よりもその成立過程を見ていき、その大まかな全体像を掴んでいくことから始まります。これは読んでいて非常に助かりました。
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中観思想とともに仏教思想の最高の理論的達成とされる「唯識」は、日本仏教の出発点であり、またヨーガの実践と深い関わりをもつが、その唯識思想の本質を浮き彫りにする。 -20101202
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読み終えると、何となく唯識がわかった気になるのが、この本のすごいところです(笑) 実際に良書で、佛大のテキストに指定されています。 唯識3年、倶舍8年と言われるように、アビダルマに比べて、とっつき易いのは確かだと思いますが、理屈では理解できないのが、唯識をむずかしくする理由だ...
読み終えると、何となく唯識がわかった気になるのが、この本のすごいところです(笑) 実際に良書で、佛大のテキストに指定されています。 唯識3年、倶舍8年と言われるように、アビダルマに比べて、とっつき易いのは確かだと思いますが、理屈では理解できないのが、唯識をむずかしくする理由だと思います。 しかしアーラヤ識を、何らかの脳機能の変性と考えず、輪廻思想への迎合と考えるのは私だけだろうか?
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4巻目は唯識。実はこれもよくわからない(笑)。 すべては空であるとして輪廻も否定した中観と比べると、私のような 頭でっかちの理屈人間には後退のようにも思える唯識だが、それは 瑜伽行の実践のバックボーンとしての性格が強く表れているという ことなのだろう。実際に人間の体や心と対峙して作り上げた唯識を 本当に理解するには、頭でわかろうとするだけでなく、実際に行を 修めなければならない、ということかもしれない。 次の5巻からは中国篇。段々となじみのある仏教に近づいていくの だろうか。
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