生活科・教材開発のアイデア の商品レビュー
愛知教育大学教授としての生活科教育の授業の様子が書かれている。それなので、本書で出てくる生徒は愛教大で教師を志す「学生」である。有田先生が愛教大に赴任されて3年ほどの授業(講義)についてのまとめである。この本には、学生への指導と児童への指導との共通点や相違点、また、人を育てること...
愛知教育大学教授としての生活科教育の授業の様子が書かれている。それなので、本書で出てくる生徒は愛教大で教師を志す「学生」である。有田先生が愛教大に赴任されて3年ほどの授業(講義)についてのまとめである。この本には、学生への指導と児童への指導との共通点や相違点、また、人を育てることについても記されている。 ① 学んだ通り、体験した通りに教える 私たち教師がどのように児童に指導をするか、その始まりは【教師自身が学生時代にどのような学び方をその時の教師から指導してもらったか】ということであるだろう。ということは、教師を志す学生に対する指導については、その学生の学び方についてより意識的に考えていかなければならない。 子どもに体験活動をなかなかさせることのできない教師は、教師自身が体験活動をしていない(知らない)のである。有田先生は「体験活動を学生にさせておけば、教師になったとき、子どもにも体験活動をさせる。しかし、講義をしたら、子どもにも講義をする」と書いている。 ② 教師の方から子どもに合わせていかねばならないのだ 「今の若い者は…」これは思考停止に陥ってしまう言説である。「教師が変われば、学生も変わる」…これは指導する立場にあたる者の共通点であろう。「自身を変革する」という思考が磨かれていく。有田先生の見る愛教大生も、これによって変わってきた。堀裕嗣先生は、児童に「変わる」ことをすすめる教師こそが「変わる」ことを恐れてはいけない、と言っている。「変わる」ことを「楽しめる」域にまで達することができるといい。「変わる」教師の言うことには説得力がある。それを子どもたちは敏感にキャッチして「変わる(成長する)」ことができるのだろう。 ③ 生活科授業の構想 体験活動を始める前にすべきこと「意欲を引き出すこと」が大切。「体得」させるべき4内容(感性、認識力・判断力(気付き)、生活技能、たくましさ)が明確になっている。「体験活動」と「表現」との【往復作業】が力をつけていく。体験活動の評価について。最新の視点も取り入れて、私自身の考える「生活科授業の構想」づくりが必要である。 学生の作文が多数記されている。有田先生が、書くことを大学生の指導に対しても大切にされており、書かせることによって学生に見る力がついてきていることが、よく分かる。
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