猫に時間の流れる の商品レビュー
猫に対する著者の真摯…
猫に対する著者の真摯な姿勢が感動する。猫が生きているということを深く感じる。
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題名そのままで、猫達…
題名そのままで、猫達とともに流れていく時間が描かれています。猫中心の話のようで、実は人間模様が主軸です。グイグイひきこまれるタイプの小説ではなく、地味な作品ですが、猫がそばにいる生活は素敵だろうなぁと感じました。
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中公文庫から出ている…
中公文庫から出ているのと内容は同じ。どちらでも手に入りやすい方を詠んでみて下さい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
二本とも、猫と人、人と人との距離感、温度が居心地の良い中編小説でした。 単行本の帯の大島弓子さんの言葉が良いので書きます。 「なんでもない日常で 猫がホトホトと歩いていって ふと立ち止まって こちらを振り向くとき 永遠に縮まらない猫との距離を知ってしまう 撫でても 撫でても さわっても さわっても その距離はあるのだ 猫の時間の流れる を読んでいると その厳粛さがずーっと持続してとてもせつない」 表紙の猫は著者の愛猫チャーちゃん。 白血病で四歳で亡くなったそうです。
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隣人たちとそのねこたちの話(表題作)と、捨てられてしまうねこを生まないようにするためにねこを捕獲して不妊手術をする話(「キャットナップ」) どちらも主人公のフラットな目線で、日常の中のねこちゃんたちの姿が目に浮かぶ。
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猫の出てくる小説、ということで人から紹介してもらいました。 たくさん猫の出てくる小説を書いてらっしゃる方なんですね。 表題作の方が好きでした。 文章が独特かと思いますが、私にはしっくりきて、好きな作家さんの一人になりそうです。 病院に居着く猫の手術をする話で、大江健三郎の初期短編...
猫の出てくる小説、ということで人から紹介してもらいました。 たくさん猫の出てくる小説を書いてらっしゃる方なんですね。 表題作の方が好きでした。 文章が独特かと思いますが、私にはしっくりきて、好きな作家さんの一人になりそうです。 病院に居着く猫の手術をする話で、大江健三郎の初期短編を思い出しました。大江氏の方は、手術どころか殺してしまうんだったと思うんですが。。
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猫好き必読。 猫を扱った2編の中編小説を収録。 「プレーンソング」ではまってしまった作家で、何でもない時間の流れ方が素敵だと思っていたが、そうか。これはネコが好きだからか。と妙な納得を本書を読んでしてしまった。 この人の派手さのない演出はネコに合っている。 特に表題作になっている...
猫好き必読。 猫を扱った2編の中編小説を収録。 「プレーンソング」ではまってしまった作家で、何でもない時間の流れ方が素敵だと思っていたが、そうか。これはネコが好きだからか。と妙な納得を本書を読んでしてしまった。 この人の派手さのない演出はネコに合っている。 特に表題作になっている「猫に時間の流れる」はネコの魅力にあふれている。 僕はネコ好きではないが、この本を読んでいる間はネコ好きになっていた気さえする。
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飼い猫のチイチイとパキ、野良猫のクロシロとぼくたちの関係は、微妙な緊張と調和を保っていた…。何かがわかっているような何もわかっていないような猫たちとの日々―。世界との独特な距離感に支えられた文体で、猫たちとの日常‐非日常という地平を切り開いた新しい猫小説の原点
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母がこれを読み「なんかすごく読みにくかった」と言っていた。実際、そうだと思う。保坂和志の文体はどうにもまわりくどい。淡々とした語りの中に、突然「思索」が入り込んでくるのだ。「。」をつけずに、延々と主人公は考え込んでしまう。やっかいである。 けれどこの「思索」に居丈高な感じはま...
母がこれを読み「なんかすごく読みにくかった」と言っていた。実際、そうだと思う。保坂和志の文体はどうにもまわりくどい。淡々とした語りの中に、突然「思索」が入り込んでくるのだ。「。」をつけずに、延々と主人公は考え込んでしまう。やっかいである。 けれどこの「思索」に居丈高な感じはまるでない。これは案外すごいことだと思う。というのも、ネットでよくあるタイプだが、思索的な文はなぜか攻撃的になりやすい。思索するサイトほど、ネットバトルを呼び込みやすい。 ところが保坂の場合は、そうならない。なぜなら、さんざん思索したくせに主人公は最後に「わからない」などと言い出すからである。 だからある意味でこれは「ぬるい」小説とも言える。主人公たちは決して決闘したりはしない。だけどそれゆえに「絶交」もしない。ときに違和感を感じつつも、いっしょにいる。ちがうけど、いっしょにいること、これが保坂文学最大の魅力に思える。登場人物たちは違いを感じつつも、同じアパートに「いっしょに」住み続ける。 基本的にわたしは、彼の思想に共感できないことがものすごく多い。意見が一致する余地はきわめて少ない。しかしこんなに作者の思想に馴染めなくとも読める小説というのは、自分にとってひどく貴重な存在である。(けー)
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