日本のおはなし の商品レビュー

いわさきちひろ(著者),いわさきちひろ絵本美術館(編者)

2023/02/05

ちひろさんの日本のおはなしの挿絵画集ですね。
とても素敵な本なので言葉では言い表せません。

　　目次
　おはなしのなかの少女たち
　物語絵本
　　　つるのおんがえし
　　　うらしまたろう
　　　りゅうのめのなみだ
　　　ひさの星
　　　おにたのぼうし
　　　ゆきごんのおくりもの
　　　きちねみちは天のみち
　文学を描く
　　　万葉のうた
　　　たけくらべ
　　　花の童話集
　　　赤い蝋燭と人魚
そして、それぞれの作品の解説がそれはたくさんちりばめられています。
ちひろさんの言葉
　「どんどん経済が成長してきたその代償に、人間は心の豊　かさをだんだん失ってしまうんじゃないかと思います。…
　そのことを早く気がついて、豊かさについて深く考えてほしいと思います。私は私の絵本のなかで、いまの日本から失われたいろいろなやさしさや、美しさを描こうと思っています。それをこどもたちに送るのが私の生きがいです。」
ちひろさんの願いをこめた作品の数々は、色彩も豊かです。なかには、墨で表現された作品もあります。
日本の物語は悲しい作品が多いのですが、ちひろさんは言葉通りに、こどもたちにやさしさと美しさ、そして平和と勇気を送り綴られています。
解説で黒柳徹子さんが「ちひろさん、あなたの少女たちを守っていきます。お約束します。」と明言されています。
この本を通して、ちひろさんとその後継者の願いが世界に広がりますように。