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現象学的心理療法 の商品レビュー

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2013/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 表題の通り、本書では現象学の考えを心理療法に取り込んだモデルを呈示し、理論を展開している。現象学にあまり馴染みがないこともあるが、概念の一つ一つが難解に感じられた(志向性、ノエマ、ノエシス、エポケ、現象学的還元、直観像…等)。しかし、そこで述べられていることが他の諸理論と全く別のものであるかといったら、そのようなことはなく、むしろ重なるところは多いように思う。私には、ここで述べられていることがあらゆる理論の下地になっているようにも感じられた。  一人の人間(他者)を理解するには、まずは己(自己)を知ることからはじまるのかもしれない。他者との関わりは相互主観的なものであるから、己と向かい合い、他者を見つめ直し、そして改めて己に還ることで、相互の理解を深まっていくのだろう。本書から、人間理解の一つの在り方を学ぶことができたように思う。

Posted byブクログ