図説 近代建築の系譜 の商品レビュー
たまに用語定義がされていないのが初心者にはきついが、概ね易しい解説であったように思う。写真が豊富で、文章中に登場する建築の大半が視覚的に確認できた。このような読者への配慮は、とてもありがたい。 歴史主義建築から近代建築に至るまで、19世紀の建築家たちの格闘の経緯が知れた。格闘(様...
たまに用語定義がされていないのが初心者にはきついが、概ね易しい解説であったように思う。写真が豊富で、文章中に登場する建築の大半が視覚的に確認できた。このような読者への配慮は、とてもありがたい。 歴史主義建築から近代建築に至るまで、19世紀の建築家たちの格闘の経緯が知れた。格闘(様々な歴史主義、アール・ヌーヴォー、分離派、デ・ステイル等々)の結果、建築は近代主義(表現主義、コルビュジェ流モダニズム、有機的建築)へ収斂していく。表現主義建築はちょっと取っつきにくい感じがするが、それと対立するコルビュジェのモダニズム建築、F.L.ライトの有機的建築は自分の感性に合っていた。また、有機的建築のなかでも、アメリカのライトとは別に、大陸側で名を馳せたフーゴー・へーリングの主張(建築の形態は、アプリオリに決定されるのではなく、建築に求められるものから自然に獲得されるべき)は非常に興味深かった。コルビュジェなどのモダニズムでは、先験的に建築の形態を幾何学的形態と決定していることへのアンチテーゼだったようだ。ベルリンフィルの建築はそのような要請により設計されたという。また、戦間期の極左極右の建築も面白い。最終章では、戦後モダニズムの展開や、親ブルータリズム、哲学的潮流(構造主義、ポストモダン)を扱う。ここらはちょっと難しかった。何にせよ、今後も何度か読み返して頭に叩き込むことが必要になりそうだ。
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近代建築史を知りたいとき、西洋も東洋も必要なポイントをうまく把握できます。授業で1度買ったのですが、院試もあり復習のために読み直すのに最適でした。
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内容(「BOOK」データベースより) 近代建築の読み方・見方を指南した徹底ガイド。空間表現の流れをつかめば建築史が楽しくなる。歴史主義~モダニズム~ポスト・モダン、現代建築を理解するための完全見取図。 内容(「MARC」データベースより) 日本と欧米...
内容(「BOOK」データベースより) 近代建築の読み方・見方を指南した徹底ガイド。空間表現の流れをつかめば建築史が楽しくなる。歴史主義~モダニズム~ポスト・モダン、現代建築を理解するための完全見取図。 内容(「MARC」データベースより) 日本と欧米の近代建築史の流れを最新の研究成果をふまえ、豊富な図版をつかって親しみやすく解説。国家という枠をとりはらい、日本の近代建築を西洋の流れの中で位置づけ、現代の建築を展望する。〈ソフトカバー〉 目次 1 日本の近代建築を読む(西洋文明との接触 歴史主義の建築に学ぶ 建築創造への挑戦 歴史主義から近代主義へ 現代への道程) 2 西欧の近代建築を読む(一九世紀の試行錯誤 近代デザインの原点 近代主義の波及効果 伝統への回帰 加速度化する潮流)
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