中国との格闘 の商品レビュー
[荒ぶる龍との30年]文化大革命に燃える60年代から97年の香港返還までのおよそ30年間にわたり、イギリスの対中外交の最前線に立った人物が記した回顧録。価値観や政治制度も異なる国との間でいかに交渉がなされ、両国の関係が揺れ動いたかが綿密に記されています。著者は、サッチャー首相の外...
[荒ぶる龍との30年]文化大革命に燃える60年代から97年の香港返還までのおよそ30年間にわたり、イギリスの対中外交の最前線に立った人物が記した回顧録。価値観や政治制度も異なる国との間でいかに交渉がなされ、両国の関係が揺れ動いたかが綿密に記されています。著者は、サッチャー首相の外交顧問として秘密外交をこなした経験も持つパーシー・クラドック。訳者は、共訳者の一人として『香港回収工作』の翻訳も手がけている小須田秀幸。原題は、『Experiences of China』。 英国と中国という複雑な歴史を有する二か国が、どのように過去を睨みながら交渉を進めてきたかがわかり非常に興味深い一冊でした。著者が直接交渉に携わった時期から今日までは少し時間が経ってはいるのですが、中国の深奥を、それこそ当事者として覗いた人物だからこそ記すことができる内容は一読に十二分に値するかと。 〜どれほど過酷な専制国家であろうとも、その体制を擁護するインテリは必ずいるものだという、悲しい事実をわれわれは思い起こさなければならない。そして、それがどんなに醜い姿をさらそうとも、いまなお西側の観客を惑わせ、引きつける魔力を、中国自身が持っているという現実を、われわれはもう一度見直さなければならないのかもしれない。〜 ある書評でも高評価を得ていましたが☆5つ
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