ああ南壁 の商品レビュー
他の著者による長谷川恒男や森田勝の本では、この南壁遠征は良い印象で書かれていない。極地法の欠点が露呈されたとか、極地法の終焉だとか…。しかし、入念な準備と最強の布陣で臨んだにもかかわらず予想以上に早く冬が早く訪れる不運に見舞われただけで、決して極地法が南壁攻略に有効でなかったわけ...
他の著者による長谷川恒男や森田勝の本では、この南壁遠征は良い印象で書かれていない。極地法の欠点が露呈されたとか、極地法の終焉だとか…。しかし、入念な準備と最強の布陣で臨んだにもかかわらず予想以上に早く冬が早く訪れる不運に見舞われただけで、決して極地法が南壁攻略に有効でなかったわけではない。森田勝に至っても、隊の南東稜からの登頂に反発して南壁登攀を「勝手に」やったわけではなく、隊員同士意見をぶつけ合い、隊として、南東稜からのポストモンスーン期初登頂と南西壁最高点到達という方針に合意した上で、自分の仕事を確実に果たしたとい事実が、本書には客観的に記されている。 小さいことは確かにいろいろあったとは思うが、資金を出してもらっている以上、遠征はある意味仕事であり大人の対応をしなければならない。長谷川、森田のみならず全ての隊員が大人の仕事をし、最大限の結果を残した。天候の不運に埋没されてしまった彼らの能力、献身に只々同情の念を抱くばかりだ。
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筆者が新聞記者ということに納得。 気持ちを伝えるというより事実が述べられているといった印象。 とても感動的なドラマが…と言った内容ではありませんが、とても興味深く面白いものでした。 例えば、使った金額や持っていった食糧が想像を越えるような量であり、当時はそんな記録の積み重ねが成功...
筆者が新聞記者ということに納得。 気持ちを伝えるというより事実が述べられているといった印象。 とても感動的なドラマが…と言った内容ではありませんが、とても興味深く面白いものでした。 例えば、使った金額や持っていった食糧が想像を越えるような量であり、当時はそんな記録の積み重ねが成功に導く鍵であったであろうと妄想が膨らみます。もちろん誇張なく偽りなく書かれていることが前提ですが大変なことが伺えました。 個々人の主観や思想に囚われず、誇張されるお涙頂戴劇でない作品も面白いなと感じました。
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第2次RCC隊のエベレスト南西壁登山隊の記録 著書はRCC創立者藤木九三氏の子息で、同隊に朝日新聞特派隊員として参加した藤木高嶺氏。 これまで中公文庫で、加藤保男、長谷川恒夫、森田勝氏らの書いた本を読んできたが、新聞記者の視点から書かれた本書も面白い。
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