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夜の森番たち の商品レビュー

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2022/11/02

森、山、マタギ等の知識がかなり充実している。森を歩いていく描写が、恐ろしくリアルだった。 もちろん、取材を重ねているのだろうが、自身でも森を体感しているらしい。 森林伐採の問題に触れているのは面白く、ヒトという立場で、どのような視点で森を尊ぶのか、その姿勢についても考察して...

森、山、マタギ等の知識がかなり充実している。森を歩いていく描写が、恐ろしくリアルだった。 もちろん、取材を重ねているのだろうが、自身でも森を体感しているらしい。 森林伐採の問題に触れているのは面白く、ヒトという立場で、どのような視点で森を尊ぶのか、その姿勢についても考察しているのは興味深い。新書系の本であれば、経済や、物質的な持続可能性の観点から語ることが多いが、ここでは、さすが小説だけあって、といおうか、自然とその時間の感覚的な美の迫力が、自然の価値に説得力を感じさせる。 また一方で、性的な描写がちらつくのも意図的に感じる。官能小説ではないと思うが、性の感覚の意外な結びつきが、独特の色を生んでいるということは間違いないとおもう。 装丁は葛西薫さん。中畑貴之さんプロデュース。

Posted byブクログ