信楽高原鉄道事故 の商品レビュー
インタビューが上手いのだろうか。被害者や遺族の言葉がいちいち突き刺さる。ほぼ全員が楽しい催しに向かっていた中での悲劇だから落差が辛い
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91年,単線の信楽高原鐵道で起きた列車正面衝突事故を鉄道ファンの立場から記録した本。裁判の傍聴にも熱心に通ったらしい。 42名が亡くなったこの大事故の14年後には,107名が亡くなるJR福知山線事故が起きてしまう。JR西日本は信楽高原鐵道事故でも当事者で,福知山線脱線事故では全面...
91年,単線の信楽高原鐵道で起きた列車正面衝突事故を鉄道ファンの立場から記録した本。裁判の傍聴にも熱心に通ったらしい。 42名が亡くなったこの大事故の14年後には,107名が亡くなるJR福知山線事故が起きてしまう。JR西日本は信楽高原鐵道事故でも当事者で,福知山線脱線事故では全面的に責任を負う立場。 本書出版はこの二つの事故のちょうど中間くらいの時期(97年)。再び鉄道で大規模な人災が引き起こされる危惧を綴っていて,警鐘を鳴らしているのは,まさに…という感じでつらい。防げなかったのはほんとに企業体質としか…。 「信楽高原鐵道事故からのち、鉄道ではこのような大事故は発生していない。戦中・戦後のように大事故が集中して発生した時期や、三河島事故と鶴見事故が一年を置いて連続して発生した時期などと比較して、鉄道輸送は飛躍的に安全にはなった。しかし鉄道関係者が安全について心の驕りを持った時、安全よりはスピードアップや人員の適正化(人員削減とは言わないことにしよう)を優先させた時、前述した東灘信号場でのできごとのような、小事故 (incident)からの教訓をおろそかにした時、いつしかまた事故の魔の手がしのび寄ってくることになる。」p.212
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本で事故原因の調査がうまくいかないのは、関係者の死によることがある。 信楽高原鉄道事故では、8日目に近畿運輸局の調整官の死があったという。 本書では、その死の原因や背景を掘り出している分けではない。 そのため、重要な情報が欠落しているかもしれない。 事故の再発防止とともに、事故調査における関係者の死の防止対策をたてないと、 事故の再発防止も十分に進んでいない可能性がある。 日本の村社会が背景なのだろうか。 日本が腹切りの文化を引きずっているためだろうか。 死者に笞を打つことをしない優しさだろうか。
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書いている人が作家では無いので中だるみ感がある。しかも裁判終了までが描かれていないので中途半端に終わっているのが残念だった。
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