ガラスの麒麟 の商品レビュー
連作短編の日常ミステリ。今回は女生徒の「死」を中心に物語が進んでいくため、大小あれど全体に影があります。 ちょっと犯人の動機付けが弱い気もしますが、加納さんの作品は、それでもやっぱり光はあるんだ、というような安心感があります。
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2001年11月7日読了。以下、過去の日記から抜粋。 短篇が少しずつリンクして最終的には大きな流れを作る・・・ 加納女史お得意の作品の作り方がここにも反映されているようだ。 しかし、今作品は舞台が学校ということもあり、またも心の琴線に響く。 特に面白かったのが「三月の兎」という...
2001年11月7日読了。以下、過去の日記から抜粋。 短篇が少しずつリンクして最終的には大きな流れを作る・・・ 加納女史お得意の作品の作り方がここにも反映されているようだ。 しかし、今作品は舞台が学校ということもあり、またも心の琴線に響く。 特に面白かったのが「三月の兎」という短篇であった。 「三月の兎」の中の中心人物は小幡先生という英語教師。 女子高で英語を担当している彼女の口癖が非常に面白いのだ。 「――何度も言うようだけどね、あの子たちは絶対に宇宙人よ。 エイリアンだわ。地球を侵略に来たの。全然理解できないし、 できるとも思えないし。正直言って、なんだか嫌になっちゃうわ。 教師になって、いいことなんかほとんどなかったわ。」 この台詞をもっと軽い程度にすれば、私だってよく言っている。 電車に乗っている男子学生や街を闊歩している女子高生、 卒業してからもう5年も経ってしまえば、様子だってガラリと変わるものだ。 「私達の時ってああだっけ?」 卒業生の常套文句の一つである。 だから、今の私は小幡先生サイドの人間だっていうことになる。 ということは・・・ もしも、この小説をまさに高校生だった頃の私が読んだらどう思うのだろう? 私でなくても今の高校生達が読んだらどう思うのだろう? どうせならもっと早い時期に読んでおけばよかった、後悔しても詮無いことだが。 もう一つ、最後の小幡先生の言葉にジンとくる。 1年でたまーに訪れる嬉しい瞬間のために残りの時間を頑張れる・・・ 教師の真理だなぁと思う。 楽しいことばかりある職業であるはずがない。 それでも、あらゆるつらいことを帳消しにしてしまえるぐらいの瞬間とは、 いったいどういうものなのだろう・・・早く味わってみたいものである。
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やっぱりこの人の話は良い。高校生って大変だったなー、と懐かしくもあり。安藤さんは、死んで幸せになれたんでしょうか・・・?
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突然、「わたし、殺されたの」と、よく分からないことを言い出し、今まで見たこともないような仕草をしだす娘に戸惑いながらも、 その原因を探る為に動き出すお父ちゃんがいい感じです。 読みやすかったと記憶しております。 テンポ自体はゆっくりですが、作者のデビュー作「ななつのこ」にあった...
突然、「わたし、殺されたの」と、よく分からないことを言い出し、今まで見たこともないような仕草をしだす娘に戸惑いながらも、 その原因を探る為に動き出すお父ちゃんがいい感じです。 読みやすかったと記憶しております。 テンポ自体はゆっくりですが、作者のデビュー作「ななつのこ」にあったようなほのぼのした空気はあまり感じられません。 人は、一度ついた傷を、ときにはずっと抱え込んで生きているのだと、 そういうことに少し哀しくなる作品でした。
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○2008/07/13 冒頭から人が死んでしまったというか殺されてしまったのでまずびっくり。でも、やっぱり加納さんらしくやさしい連作短編集。 年頃の娘を持つ父親が語り手、っていうのは珍しいんじゃないかな?大人の意味のない掛け合いは楽しいもんだ。 人死にがメインのできごととあって...
○2008/07/13 冒頭から人が死んでしまったというか殺されてしまったのでまずびっくり。でも、やっぱり加納さんらしくやさしい連作短編集。 年頃の娘を持つ父親が語り手、っていうのは珍しいんじゃないかな?大人の意味のない掛け合いは楽しいもんだ。 人死にがメインのできごととあって、明るいほのぼのストーリーっていうわけにはいかないんだろうけど、各章は光のさすような終わり方でほっとした。 でも、最後の章だけもやっとしたものを残したまま終わってしまったような気がして残念。 多感な女性の心情がしっかり書かれてて、読むたびにあー加納さんだなぁ、と思った。
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はじまりの事件を発端に、一見つながりのなさそうな人々の身近に起こる不可思議な事件を短編で語り、最後に当初の事件が解決していく。著者のいつものパターンです。学校が舞台で今の子どもたちの心の闇も扱っています。悲惨な事件があっても、現実もこんな風に暖かく解決できたらいいですね。
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七番バッターがホームランを打っちゃった、という作品。だって他の著書そんなに面白くないしww青春ものの透明感がありながらも深い。サッパリしながらもコクがあるっつうかwwオススメです!!
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第48回日本推理作家協会賞受賞。「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」通り魔に襲われた十七歳の女子高生が遺した童話とは…。少女たちの不安定な心をこまやかに描く待望の連作ミステリー。
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誰も「さいごのひとり」になったりはしないのだな、と思いました。かならずだれかと関わったり、傷つけたり、手を繋いでいたり…そういう感じ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人の女子高生の死を中心に、その家族や教師達の人間ドラマを描く。 各章別々の話でありながら、最後には一つにつながるというもの。 各章のラストは、一つずつとても優しいものだった。 なかでもやはり「ガラスの麒麟」と「暗闇の鴉」の章が良かった。 一人の少女の死が、周りの人間に及ぼす影響は、こんなにも大きいものなんだと実感。 すべての謎が解ける最後の章のラストも必見。
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