人形の家(5) の商品レビュー
人は誰でも同じ孤独を抱えている。 でも決してそれを分かち合えない。 誰かと繋がっている感覚は夢でしかない。それでも幻想を信じられる人は幸せだ。 幻を信じられない人、何らかの理由で幻から見放された人は、何とか自分のやり方で、自分の目に映る世界を説明しようとする。そうしないと、彼ら...
人は誰でも同じ孤独を抱えている。 でも決してそれを分かち合えない。 誰かと繋がっている感覚は夢でしかない。それでも幻想を信じられる人は幸せだ。 幻を信じられない人、何らかの理由で幻から見放された人は、何とか自分のやり方で、自分の目に映る世界を説明しようとする。そうしないと、彼らは自分自身すら見えなくなってしまうから。もし運が良ければ、彼らは偉大な芸術家になれるだろう。自分の感覚と社会が調和する場所を見つけられさえすれば。 残念なことに大抵の異邦人は的はずれに周囲を困惑させて、孤立するはめになる。この本はそういう気の毒なろくでなしを主人公にした短編集。上手じゃないし、もしかしたらまちがったやり方なのかもしれないけれど、彼らは必死に誰かを愛している。もしくは、愛そうとしている。だから私は彼らが好きだ。 トーベ・ヤンソンは偉大な芸術家だ。けれど彼女自身は、自分をまぬけで的外れな人間だと思っていたのかもしれない。 誰かの世話をするのは、所有するのと同じなのかもしれない。同じ?似ている?
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「日常に確たる根を持たず、周囲となんとなく折り合わず、しばさばみずから他者との絆を断って、自由で不毛な無人地帯をつくりあげる」訳者あとがきより
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トーベ・ヤンソンコレクション5。 短篇集です。 風変わりな登場人物を集めた作品集のような感じを受けました。 ヤンソンさんの作品の登場人物にはなかなか感情移入できません。 距離をおいて見物しているような、けれど目が離せないという 気持ちでいつも読んでいます。 強いて理解出来ると...
トーベ・ヤンソンコレクション5。 短篇集です。 風変わりな登場人物を集めた作品集のような感じを受けました。 ヤンソンさんの作品の登場人物にはなかなか感情移入できません。 距離をおいて見物しているような、けれど目が離せないという 気持ちでいつも読んでいます。 強いて理解出来るとすれば、『人形の家』という作品でしょうか。
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実を言うとイプセンの同名の作品と混同しちゃってました。こちらは、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの作品集。表題作の「人形の家」は人形の家作りに取り付かれた装飾家の話なのですが、どこまでエスカレートするねん!っていう主人公の家作りへの熱中ぶりがすごい。狂気じみた世界なんだけど、読後に...
実を言うとイプセンの同名の作品と混同しちゃってました。こちらは、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの作品集。表題作の「人形の家」は人形の家作りに取り付かれた装飾家の話なのですが、どこまでエスカレートするねん!っていう主人公の家作りへの熱中ぶりがすごい。狂気じみた世界なんだけど、読後にふっと和むのはトーベ・ヤンソンの作品特有の優しさかもしれない。
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ムーミンで有名なトーベ・ヤンソンの小説集。なんだかこいつらただならぬ関係か…?と思わせる表題作と全体の「クールさ」が良いです。装丁も素敵!
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